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チェルフィッチュ「女優の魂」@STスポット

2012.08.23(21:28)

アレグリアとは仕事はできないアレグリアとは仕事はできない
(2008/12)
津村 記久子

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 8月15日(水)

 会社にいった。あとは帰って「虚構に咲くユリ」をやった以外はなにもやらなかった。


 8月16日(木)

 会社にいった。うっかり10時まえまで仕事をしてしまって、うっかりしたなあと思った。それから帰った。


 8月17日(金)

 会社にいった。7時30分ぐらいには帰って、それから「虚構に咲くユリ」をやった。安川奈緒が死んだのを知った。


 8月18日(土)

 お昼くらいに起きて、それからぐうたらをくりかえて決意をこめてクリーニング屋さんにいった。そのあといったん家までもどって、横浜まででかけた。横浜駅のベックスで津村記久子「アレグリアとは仕事はできない」を読んでいたら管城さんからメールがきて、「遅れます」と書いてあったので、すたこらさきへいった。
 STスポットで待っていたら、管城さんがきて、耳からひもが飛びだしていた。そんなはずはないと思ってたしかめたらそれはひものふりをしたイヤフォンでだまされたと思った。いっしょにチェルフィッチュ「女優の魂」を見た。ひとり芝居、ということだったけれど、佐々木幸子がへんてこな動きをしながらおもしろい話をしていた。わたしはとてもとてもおもしろかったと思う。チェルフィッチュの舞台については、わたしは身体と言語が一致している、みたいな言いかたをまえはよくしていて、それで、いまもそんなふうに思っているけれど、ひとり芝居を見ればそれがよくわかると思う。わたしの感覚だと、演劇というのはだいたい言葉のほうに向かいがちのように思う。身体があるのはあたりまえなんだけれど、役者がたとえ動きながらでもなにかをしゃべるとき、すくなくともわたしの意識は言葉に向かいがちだと思う。身体は言葉によって上書きされてしまって、かきけされてしまう。そういうありかたがどうなのかどうかわたしにはわからないけれど、たぶん、野津あおいとかそういう一部の役者たちは言葉にかきけされない身体を所有していて、そのとき舞台にはたぶんひとつの空間が形成されはじめている。空間はなにかしっかりしているわけではない、それはあいまいなままでもよくて、あいまいなままですら存在させることができる、というのはたぶん舞台が持ちえるゆたかさなんだろう。それはあきらかにひとつの奇跡で、でも、わたしたちが奇跡を目にすることもまた、ほんとうにまれだと思う。
 そのあといっしょにごはんを食べにいった。その途中で、「わたしゲーム脳なんです」とか言っていたけれど、それはちょっとよくわからなかった。てんぷらとか野菜とかお魚とかを食べて日本酒をくぴくぴ飲んだ。そのじつどれもおいしかったから、野菜とかお魚はなんてえらいんだろうと思った。なにかの話をしたと思うけれどそのうちのどれひとつたりとも思いだせない。「タオルケットをもう一度」の話をしたら管城さんはすでに知っていた。まにやだと思った。後藤まりこのソロアルバムのうちの1曲を聴かせてもらったらなんだかとてもすてきだった。
 お店をでていっしょにロッカーまでいったら、山梨県のおみやげをくれた。ピンク・オ・レというよくわからない液体と、あとはエヴァが富士山を踏んづけているよくわからないストラップをもらった。「ありがとうございます。人目にふれないところに吊るしておきますね」と言った。
 帰った。帰りの電車で「アレグリアとは仕事はできない」を読みおえた。すごくおもしろかった。表題作もよかったけれど、併録の「地下鉄の叙事詩」もよかった。毎朝満員電車にのっている女の子が、どうしても電車のなかでだけは一時間のうちに何人ものひとを殺したくなってしまう。けれど、彼女はだれをどう殺したくなってしまうかとうとうと描写したあと、そっとやさしさを求める。


 ミカミは、電車を降りて会社に到着し、お茶を淹れて席に着いて一息つくたびに、先ほどまで同じ電車に乗ってどこかに向かわされていた人々とは、少なくとも十数分間同じ極限に近い環境に置かれるのに、どうして労りあうことができないのだろうかと考える。


 ときどき、どうしてひとにはこんなにゆたかな感情があるんだろうと思う。そして、たとえばそれが行為にあらわれないとき、というか、だれかのこころのなかで一瞬浮かんだ美しいことについて、それを美しいと言うには、いったいどうしたらいいんだろう。




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