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頭のわるい女の子がチョコレートをかじっている。

2008.11.25(00:46)

 頭のわるい女の子がチョコレートをかじっている。袖をつかまれて、ここのところチョコレートしか食べていないので苦しい、何かほかのものを食べるお金が欲しいと言われるけれど、僕は自分にとって大切なものをたくさん買ってしまったあとだったので、何もあげられなかった。女の子はもう一ヶ月も身体を洗っていないのでとても臭かった。口のなかから真っ黒な舌がでていた。
 街角でふたりを過ごした。気の弱そうな人たちばかりを選び、お金を恵んでもらおうとした。知らない靴が僕たちの前を過ぎさり、ごてごてしたバッグが僕の頬を何度も打った。お金は集まらない。きらわれるのは僕だけだった。女の子はときどき頭をなでられたり話しかけられたりしていたけれど、僕はひどく蔑まれ、「くたばっちまえ!」という声を浴びた。僕は僕がたくさん買った大切なものを守らなくてはならなかった。足のない老人や気の狂ったふりをした子供たちが僕たちに近寄り、果てしのない声をかけ、隙を見て僕の大切なものをかすめとっていこうとした。できることならば誰かを殺したかった。疲れた。僕が僕を回復する手段としては僕の買った僕の大切なものをそっと慈しむことだけだったけれど、こんな有害な場所ではゆっくりと慈しむことはできないし、何より僕が僕の大切なものを慈しんでいる姿は誰にも見られたくなかった。幾通りもの時間が過ぎ、僕はさまざまなポーズをとった。靴には鋲が打ちこまれ、指のあいだがはりついて動かなくなった。僕が何をされても誰も満足しなかった。すべてが痛々しく、感情は、むしられた水鳥の羽のその下にまで移行していった。太陽が朽ちる。ビルの陰がゆっくりとのびていくことを僕だけが知っていたが、それはもちろんそんなことにほかの誰も興味がないからだった。
 必要なのは物語だけだった。誰かが僕に聖性をあたえるべきだった。でも僕は屑犬のようにただ待ち焦がれた。泣いているところで駅員から意味のかわりに切符をもらい、そのチョコレートはふけがかかっていて汚いのだと僕は言った。





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