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ある詩人との対話

2009.01.08(01:52)

 千年前の戦場に剣を植えたのはおまえか、引っこぬく人間のことをいっさい考えもせず
に。言いたいだけ物事を言うか。どんな屑だろうと、本の隅にこびりついた黄ばみだろう
と、そんなにしゃべったりはしないものだ。腹を抱えるだろうか。髪の長い女を二等分
し、特別と本能を行き来し、天国の端っこで蝉のように鳴き、小指の先で隣人を知りたい
と思うだろうか。

      〈四番目がきみには足りない。血を吸った破片を読んだことが〉     
      〈殺意は純情を棺のように貴いと感じた。それは未来だったわ〉
      〈終わり側の人間はまだきみを許していない。機関士を呼ぼう〉
      〈ぽんこつよ。油の代わりに血を使っているのを私が見たもの〉
      〈人間だったからさ。複雑に生えた雑草の上で寝そべっていた〉
      〈愛ね。本当の子供だったときから、私たちは医者の傍で眠り〉
      〈どうかな。矛盾を信じてはいないだろうか。鏡を売った夜を〉
      〈愛よ。愛愛愛。泥臭い娼婦小屋の屋根裏に住んでいる蜘蛛男〉
      〈きみの言うことはほとんどいつも正しい。酒をあおったんだ〉
      〈いいえ。あなたはただかわいい女の子のふりをしているだけ〉
                 〈にゃんにゃん〉 
          
 私はどうしたらこの世界に存在してもいいと強く自分を騙すことができるんだろう、何
かをするたび、まるで雨の一滴一滴が地面を濡らすみたいに、私の心が虫に食べられてい
く。見えないと思った瞬間にすべてが見えなくなって、はかない輪郭を撫ぜるたび、その
不在の気配にはっとする。愛しかったものをホッチキスでつなぎとめ、幼い頃、おじさん
に連れていってもらった人形劇みたいな恋愛詩で、あなたを思いだすなんて。私はきっと
どうにかなりつづけている。そのことを友達は「成長しているね」とか「羨ましいね」と
か言うけれど、私はそんなんじゃなくて刻々と死につづけていて、友達の屈託のなさに遠
慮した。銀のスプーンをガラス細工だと勘違いし、そのことでひっそりと笑い、もう私の
まわりには誰もいない。

 存在できないデリンジャー             
 オフィーリアの二枚目
 広告紙に塗られた油
 啄木鳥のいなくなった森
 ずっとずっと
 死んだと思いこんでいたペット
 人間の集会場
 抽斗にまぎれこんでいた髪の毛
 水を
 許すことができないと言った詩人
 おめでとう!
 おめでとう!
 おめでとう!


 もううんざりだと僕が言う。横たわる大樹を見て足をすくませ、影と永遠の対話をくり
かえし、夾竹桃を砲撃する。野蛮な砦を落下し、海賊から斧を買い、荷馬車に積まれた花
に膿んで生まれたばかりの心を錯乱させる。星が見えなかった。暗く高い場所から骨が降
り、屋根を突き破って父親を殺す。殺しあいを続けている。骨が人を殺している。僕が公
共とした場所が言語と唾液で汚され、解雇された掃除妊婦がやってきて僕に〈言ったとお
りでしょう〉と告げる。手触りがある。許せないのはそのことだけだって何度言えばおま
えは理解するんだよ。





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