スポンサーサイト

--.--.--(--:--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。





スポンサー広告 トラックバック(-) | コメント(-) | [EDIT]

泣かない女の子はいない

2009.10.29(18:11)

 音走る夜、僕たちは花に失敗した。花粉は
魂ではない。茎は心臓ではない。受粉は愛で
はない。油虫は恋人ではない。そして僕たち
は、人間でなくてもいい。人間ではなく、恋
人になりたいと思った。僕たちの展開を飛行
機が壊していく。花壇は夜に負け僕たちは戦
争に負ける。花壇から飛びだった民兵はまだ
銃殺のことを考えつづけているんだと僕たち
は言った。あれから三十年経った今でもまだ
硝煙の匂いと花を潰す薬莢のことを考えてい
るんだ。

 冬の東京の上空にはシャンデリラがまわる
 雨がずっと落ちている
 あ、虫、
 雨がもうずっと落ちているのを眺めている
 僕たちの予感が、
 はずれる
 骨の折れる音と同期して、
 身体はもう蝋燭だ
 僕たちは戦争をしている

 おおきな虫が子供たちの背中に乗りつけ、
甲殻の隙間からジャムみたいな愛を糞のよう
に垂れながしている。子供たちは痙攣しなが
ら白目になる。虫は雪のように白いその眼球
が好きだ。くりぬいて食べる。身体は燃やし
てしまう。指先がいちばんまずいと虫は考え
ている。低い温度で子供たちの身体は燃えつ
づけている。灰になる。虫はその灰を身体に
なすりつけ、日が暮れるまで遊ぶ。花壇は美
しく平和だ。だから僕たちは戦争をはじめた。

 地球が汚れている、
 
 天国ごっこからはじめよう。落ちるものと
這いあがるものを決め、棒とロープを使った。
僕たち、天国を落とそう、包帯を巻き、スプ
レーを買い、そして東京に天国を落とそう。
失敗はパンになすりつけ、弾丸は一発だけに
限り、パパを敬い、ママにキスする、僕たち
は、やさしいやさしい戦争をしよう…
 花壇では背中が砕ける音が聞こえつづけた。
その横で発狂した男の子は虫のまねをしてい
る。電信柱が立っていた。それをなぞると宇
宙に行きつく。だけれど、ものごとはいつも
そこで終わってしまう。なぞりかけの手のひ
らは消える、たどりついた宇宙は見失った風
船にすぎないのかもしれない、だけれど僕た
ち、それでも、東京に天国を落とそう…

 新しくなくていいなら
        たくさんの比喩を救える
 僕たちはそういう戦争をする
      死にかけたような顔をして
               責めるな 
(そして民兵は)   

 必ず間違う。彼らは僕たち以上にその銃に
弾丸ではなく地球をこめてしまう。僕たちは
かわりに湿らせた唇で舐める。ひろがる唾液
が好きだと思う。もうもどってこなくても好
きだと思う。

 泣かない女の子はいない、
 僕たちはそう思いこんでいる
 ゆえにシャンデリラは吊り糸を失い、
 たくさんの民兵を壊してしまう
 だとしても、
 泣かない女の子はいない





コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://kizuki39.blog99.fc2.com/tb.php/1089-b102a8f4
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。