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自画像

2009.10.15(18:12)

 幸福な雨は真四角のかたちをしている。そ
れはいつも鉛筆削りのような硬さをしている
のに、わたしの頭を殴るときにだけ、豆腐の
ようなやらわかさを見せつける。
 わたしは空き缶に話しかけるのが得意だっ
た。次に話しかけやすいのが蟻で、その次が
糸屑だった。いちばん難しいのは猫だ。猫は
わたしの話に反応しすぎてしまう。わたしは
話なんて持っていないと言っているのに、猫
はそんなことはかまわずに得意げに髭を揺ら
しながらうんうんとうなずく。その瞳の奥を
見つめているうち「さらわれてしまう」とし
んから思う、その気持ちが怖くて、わたしは
猫から逃げてばかりいた。
 わたしと天国が線対称に結ばれればいいの
に。枯れたばかりの夜を食べながらわたしは
そういう詩を書く。対称になったその瞬間、
対称を破壊する65億のくらげがこの星に降
りつもり、わたしたちはそのくらげといっし
ょになる。キスはいらない、アンニュイなセ
ックスも。だからそれは、やさしいやさしい
くらげなんだ。
 わたしは蜜のようにしっとりしている。い
つ濡らされてもいいように、ずっと下半身を
押さえつけている。そうしているとひとがや
ってきて「救急車を呼ぼうか?」と言ってく
れる。うれしい。だけれどわたしは「下半身
を押さえているだけなんです」と言う。ずっ
とうれしかったし、ずっとうれしいだろうと
思う。強がりなのに、行ってしまったそのひ
とを。
 しのんで指を折っている。折りながら「わ
たしは正常だろうか」と考えている。そうい
う考えかたがいつのまにか好きになってしま
った。そういう考えかたであの子に告白した
かった。今わたしの近くにわたしが指を折る
その仕草が好きだけれどあなたは好きではな
いと言ってくれる女の子がいる。彼女はわた
しの指のなかの骨には興味がない。彼女はじ
ゅうぶんにわたしを愛しているつもりだけれ
ど、その内側で、わたしはたりない部分を脳
味噌で埋めあわせようとしている。それでも
わたしは彼女が好きだと思った。彼女の顔面
はくらげだ。その軟体でわたしの指は平気に
曲がる。





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