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イリュミナシオン(全篇)

2009.09.03(18:22)

music

わたしはおなかを空かせた子供の顔にチョコレートを塗るのが好きだった。足で老婆を折るのが好きだった。鋏を持ちたいと願ったひとに靴を買ってやるのが好きだった。空き缶のなかにはいつもわたしの指が入っていて、犬が、目ざとくそれを食べてしまう。わたしはそれをいちいち数えるのをやめた。クラスメイトはわたしに同情して自分のぶんの指をわたしにくれた。わたしは申しわけないと思った。わたしはつけねから色のちがう指を眺め、長さのちがう指に鉛筆を持たせる。親指の場所についた小指がかわいいと友達がくすくす笑ってトイレに行ってしまう。わたしは怖くなって耳をすませた。肉の音楽が、聴こえる。



ice

氷がたりないのなら
もう
世界なんてあさってまででいい
髪の毛にからみつくしこりをとってほしい
わたしが呼びかけるたび
身体のあちこち
氷がうかぶ
きみはさいきん
もう
氷がたりないという
夏日
氷を扉のそとにだして
きみの背中の裏側から
身体を抱え
溶けるまで待ってる
おしまいになると
もう
することがない
わたしはきみに見られながら
扉のそとに座ってる
とても暑いから
なんだか
きみと待ちあわせをしているような
そんな気持ちがする


moon

きみが墓穴を掘るのを影のなかで見ていた。きみはそこに埋めるための死体をとりに墓地から出ていった。わたしはきみの道に罠をはった。そしてきみがもどってくるまでに、わたしは墓穴のすべてを花で埋めた。それがわたしの愛だった。きみがもどってきたとき、わたしは煙草を吸いながら月を眺めていた。きみの足首はわたしの罠のせいで血まみれだった。帰ろうとわたしは言った。手当をしなくちゃいけないね。うんときみは言った。わたしはきみを背負って家に帰った。きみはその腕をわたしの首にまわし強く絞めつけていたけれど、わたしは特に何も言わなかった。きみを愛していたからだ。月は美しかった。



bug

「ふたつの腕をあげるからふたつのパンをく」
「ださい。この塩でわたしの流れるままの涙」
「を乾かしてください。わたしにはどうして」
「もわかることができません。何故あなたは」
「そんなにたくさんのパンを持つ能力を持ち」
「ながら、わたしをすこしでも愛することが」
「できないのでしょうか。□□□□□□□□」

 光る虫たちは篝火の上にこぞって集まった。ときどき羽が燃え、虫たちは魂を抜かれたかのように落ちていった。少女は敬礼をした。正しくあるために彼女は虫けらに敬意を表さなければならなかった。男の子はすべただった。女の子をちょきちょきと素手で解体した。そして男の子は男の子がfront manであることに敬意を表した。男の子は人類であるために正しくあろうとした。front manたちの眼前で虫がひらひら落ちていた。

「僕はきみをbitchする。 僕はきみに許され」
「ようとはもう思わない。だけれど僕はきみ」
「にやさしくしたい。きみを愛するのと同じ」
「愛しさでもってきみではない人間を愛した」
「い。きみを同じ深度で愛しながら僕はべつ」
「の人間を愛したい。きみではない女の子と」
「結婚し、彼女に毎日きみにパンを届けさせ」
「ようと思う。彼女には愛を。きみにはパン」
「を。世界にはやさしさを。□□□□□□□」

 男の子は敬礼を続けた。遠い場所で核が爆発しひとつの島がなくなった。男の子は口笛を吹いた。鳥になりたかった。空を見たかった。下半身よりも低く降る雨は精液のように光った。



complex

そしてfront manはbitchを乗せ天国よりもなお低く飛びつづけ…





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