スポンサーサイト

--.--.--(--:--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。





スポンサー広告 トラックバック(-) | コメント(-) | [EDIT]

のばされた腕々の庇護で雨を思え

2012.01.05(00:31)

 2羽の鴉が
 空を飛びかうふりをして空間を切りさいている
 その断絶からあかんぼうの舌がたれさがり
 僕は 耐えることすらなくそのしたにいつづけていた

 ほら
 俺は銃口と斧できみを撃った

 たった2.5秒の 2.5秒さきをたどる
 指は愛おしいままに桃色の果肉をひらいている
 おまえは断絶のかたまりだった
 道端に落ちていた馬肉を水色の絵の具で塗りたくり

 ほら
 俺はきみのための空となった

 城のなかでは銃が氷で吊られていた
 性器のようにぶらぶらと揺れ
 わたしたちの残骸をかくまっていた
 かくれんぼをしたままもどらなかったあの子
 いちばんおいしい拳銃にさらわれて
 戦争の重い影を背負った
 わたしがいまだ天国であったころ
 この国は拳銃の使いかたを知らなかった
 女の子はあどけなく笑って花を買う

 星をとって 
 星をとって
 まぶたにはりついていて
 どうしてもとれないの
 
 でもきみはそれでもにんげんじゃないか
 拡散された幽霊たちが手をのばし
 惑星の極限で手をにぎりあう
 のばされた腕々の庇護で雨を思う
 降りやむことすらない透明な雨に
 やはり馬肉とおなじ色を塗りたくった

 どうして雨と空がおなじ色なの
 きみが母親から生まれたからだよ
 だったらわたしはなにから生まれればよかったんだろう
 幽霊からだよ

 身体が雨に溶けていく夢を見たいと思っていた
 夢のなかで脳味噌が死んでいけばいいと思っていた
 地表にたまったわたしの脳味噌が
 ふたたび雨として降ればいいとだけ思った
 そして生きた

 銃口のなかに眼球が光っている
 2羽の鴉の翼をひとつずつ食べたおまえの
 脂ぎった眼球
 だけれど俺は脂の量で罪をはかることはできない
 右の扉と左の扉
 おまえが愛しいなら俺は右の扉を
 おまえが憎いなら俺は左の扉を
 わたしはあなたのこころに刺さった鍵をみつけた
 鍵には心臟の肉片がはりつき
 手ではらいおとそうとしても
 まるであなた自身がごみのようになってしまった
 
 銃口のなかにごみがつまっている
 ひきがねをひいたら暴発してしまう銃を抱えこんだまま
 あなたは中空から吊るされた馬肉を眺めている
 あなたの瞳をおおう皮を短剣でえぐり
 貴族は口を動かしながら去っていった
 あなたを犬が守っている
 犬はあなたを2度見たあとで
 ちいさく鳴く
 ひときわ貧しい顔であなたはつぶやく

 星が見えない

 存在しか生まれない場所で愛と出会った
 ちいさな女の子が棒で守っていた
 あなたは女の子を殺して愛を解放した
 わたしは森の入口でなにかを待っていた
 あなたが帰ってくるのを
 あるいは愛が帰ってくるのを
 貴族たちはいたいけな行進をつづけている
 掲げられた旗には水色の絵の具が塗られている
 その意味をわかろうとした
 なにかを訊ねて なにかについて笑いかけた
 にんげんはすべて氷だと気づいて
 発狂をしたふりをした

 あなたがとなりにいる
 でも俺はほんとうは
 劇場からからっぽの観客席を眺めている
 椅子のしたに 星が落ちていた
 いなかった観客たちは仮面をかぶり
 世界の側面を舐めつづけていた





コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://kizuki39.blog99.fc2.com/tb.php/1229-7352ad06
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。