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世界の音叉

2012.01.15(23:59)

「羊の肛門に銃口をつっこんでいる兵士が
  わたしのこころのなかで死んでいました
 夏の日に扇風機を壊しました
  きみが わたしのこころを土足で踏んだからです」

ふたきれの手紙のどちらが食べたい?
 どちらも食べたくない僕はうつむきながら食べた
  星のポケットのなかはコインと蛆虫であふれている

 ただ

きみがまちがえはしないと思うのなら
 僕の肉の海を泳いでいってもかまわない

ポケットからあふれた羽虫が世界をおおっている
機関銃をかまえた男が 電信柱のかたわらで
 ハムを食べながら笑っている 黄色い歯にはりついた
  人 類 の 母 の お し り の 肉 だ

 畑にて
  少女を石で弔った 
膝の裏から唾液のような血を流し
 俺たちの戦艦をただ 見つめていた
大佐! 大佐!
 なぜきゃべつ畑ばかり爆撃するのですか!
大佐! 大佐!
 れたす畑の存在をなぜ許してしまうのですか!

それはたいしたことではなかった
 光る電車の横っちょで顔のない少女が笑う
これからあなたはあなたのじんせいですうおくのおんなのこにけんおされすうおくのおとこのこになぐられ、だれからもつばをはきすてられうじむしのなれのはてばかりをくちにして、しょうじきにいって、あなたのこれからのじんせいにはひとつもいいことはなくてうつくしいもののなにひとつすらめにすることはなく、あなたをあいするものはちじょうをうめつくすほどあふれやがてかみをころすだろうふろうしゃたちのむれだけれど、あなたはこれからもしあわせだしぜんぜんだいじょうぶだよ!


大佐! 大佐!


 手紙は僕の指のすきまにはいりこんでとれなかった
ちいさくつぶれ 粒子のように存在をなくし
あとにのこったのはただ 僕の舌のこまかな残骸でしか
 なかった しあわせをしあわせと呼ぶことができません
氷を失ったようにおさないころ 僕は担任の教師が
  教壇のうえでそう言って泣きくずれるのを見ていた

大佐! 大佐!
 地球をひりつぶすほどの握力がほしいのです!
大佐! 大佐!
 僕の盾となって死んでくれる女の子がほしいのです!

地球をつきぬけてまっすぐに進むと海にでる 彼女には
 顔はないけれど髪の毛はあった 光があたると
あるはずのない顔がすっと浮かびあがることがあった
  それは夕暮れに多い     夜になるともう
彼女の全身すら見えないほどだった 下半身には石が
 ついている 膝の裏に鼻をあてるとそっと血が香った
あなたの血のにおいは携帯電話のそれと似ているね
   ちがうよ 僕はつぶやく きみそれはちがうよ
           だってこれはきみの血なんだ 
            そしてここはきみの地球なんだ

大佐! 大佐!
 ざんねんです!
  生きていてもちっともたのしくありません!

吸血鬼は犬のかっこうをしていた 裸の男に
 首に縄をかけられ     きゅんきゅんきゅんきゅん
鳴いていた それを見ていると僕は母親を思いだした
 母親はいつも家のなかを斧を持って歩きまわり
僕と僕の寝台を探していた   寝台を失った僕は
  おとなになったいまも 彼女の身体を見つけれない
知ってはいたと思う つながれた吸血鬼は明日
 地球を去っていく  去りぎわの靴音はどんなだろう

幸福以外の足音だけが 聞こえた。

世界には幾多の幽霊が降りそそいでいた
海岸線ではくらげがやさしく手をふっているだろう…
あまった血が雨となってそそいでいる真夜中だろう…
縁側で月の光を浴びながら風に唾を吐くことだろう…
村人たちが見捨てられた畑から走りだしていく
きみは?
いいえ わたしの全身は収穫にはまだはやい

わたしの靴音に耳をすませよ
きみは畑のまんなかでわたしからの手紙を持ち
やがて 世界の音叉になるだろう





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