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兵隊はいまだわたしをめがけてやってくる

2012.02.27(00:59)

なにかが降っていました
 雨のようであり 雨でないものでした
なにかを食べていました
 にんげんのようであり にんげんでないものでした
なにかを伝っていました
 きみの指先のようであり きみの指先でないものでした

夜間に兵隊がやってくる
 ざくり ざくり わたしの脳味噌が鳴っていた
おなかのなかのねずみが関係の鳥を食べていた
心臟の表皮が剥がれかける足音は
 おまえの銃声に似ている
失われた記憶が焚き火であぶられている
 子供たちが火のまわりで歓声をあげ
熊が高く天へとのぼっていく
 なのに 兵隊はいまだわたしをめがけてやってくる

きみは毎晩グラスに涙をため
 俺の枕もとに置きにやってくる
僕は眠ったふりをしながらきみを見ている
 月の光が手の裏側の骨を浮きあがらせていた
甘い唾液がきみの唇から垂れている
 寝台の裏にやがて花が咲き
それはきみの顔面に似るだろう
 なのに 兵隊はいまだわたしをめがけてやってくる

天井にはわたしが浮かびあがっていた
 電灯のひもがわたしの口のなかで
羽虫になりかわっては死んでいた
「その生きものの歴史のすべてを」ときみが言う
わたしの心臟は羽虫の歴史であふれていた
 左には花束を 右には花束を
あるいはわたしは 右と左をみわけるために
 なにをすればよかった?
「ただしいもののありかたを」ときみが言う
わたしは浮かびあがったまま
 じっと落下していくのを待っている
やがて草たちがわたしを光の場所へさらうだろう
 俺ときみが手を結びあった正方形で
   光はいちまいの絵画となるだろう
「にんげんの起源とはわたしの願望の似姿だ」
腐臭から生まれた言葉をわたしの唇に塗りつけ 
 きみは枕木を置きにいく
かんたんだよ だって あんたは枕木を
 眺めながら なにも考えないで
ただ 歩いていけばいいんだよ
 列車は俺を結ぶ 
 兵隊たちが車内で煙を吹いている
なにものにもなりかわりたくないとつぶやいた泡を
       俺は俺の手のひらのなかで見つけたはいた
なにかが降っていた
 雨のようであり 雨ではないものだった
なにかを食べていた
 にんげんのようであり にんげんではないものだった
なにかを伝っていた
 きみの指先のようであり きみの指先ではないものだった

 たった今夜の約束だ
 きみは俺のなかのひもをひっぱりにはこない





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