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たとえ俺の顔面が拳銃だったとしても

2012.07.30(22:20)

 深海の真砂で わたしたちのためいきは
たやすく石に変わる 星に光る街の自動販売機の彼方に
 せめて きみがあぶれないための飲み水を探す
言葉があさってからやってきたふりをしても
   逆回転の夕暮れは美しかった
森のなかで愛のかたまりを見つけた 母を食べた狼が
 今夜の夕暮れを探している
僕はまた それとはちがう宇宙で逆回転の夕暮れを眺めた
  友達たちが次々と屋上から飛びおりては死んでいく
 「死を表現するための唯一の言葉も行為も」
「ない」 雲の片隅から言葉がぽろぽろこぼれていく
 真っ黒い虫みたいなてんとなって地平をよごしていく
濡れた幽霊がきみの枕元に三角に座り
 いちばん大事だった言葉をささやいている
にんげんがにんげんになるためのかんけいを針と糸でつくろう
むかしの僕だったものがそのかたわらでそっと涙を流し
  世界は善きほうに 僕は片腕のない男に
花を手折るように向かっていく
幽霊は森のなかで見つかった愛のかたまりを食べるため
  歩いていく 僕は樹々のあいだでいつも表現をしている
薄桃色のかたまりは屋上から飛んでいってしまった
 背中でほつれた糸は その中身がちがっていたことを
告げている 屋上から飛んだのはほんとうは犬だったのか?
「俺はあんたには興味がないよ」
   なんの留保もなかったくせに睫だけは赤く濡れている
自動販売機に住みついた宇宙人が乞食のふりをしている
 街中の子供たちが自動販売機につどい
ペットボトルのふたをにぎりしめながら
  遠い国の戦争の話をくりかえしている
欠けた宇宙を地球が埋めあわせて
 僕らはそれからも人類のふりをした
  自動販売機に金貨をささげた子供たちが
僕の片腕を手にいれてはよろこんでいる
 彼らには顔がない 「これは戦場で死んだ子供の腕だ!」
   宇宙人の顔面が笑っている
森のなかで生まれた子供が愛のなかで溺れ
 屋上では あいかわらず新しい子供が飛びつづけている
「僕はこの街の子供だ」
  「その腕はこの街の子供の腕だ」
たったそれだけの ほんとうのことがらですら
 樹々のあいだでは表現できない
飲み水は自動販売機の中央でだけ見つかる
 水面には金貨がぴかぴかと浮いてきたないだろう
宇宙を焼く炎がきみの頬に宿り
   地球を失った宇宙は僕の心臓をただよう
 白い光のいちばんグロテスクな部分を浴びたい
たとえ俺の顔面が拳銃だったとしても
  願いは 花のなかに生まれた街のなかでだけかなう
 俺は せめて 街のなかの屋上のてっぺんから飛ぼう
飲み水はきみの頭のなかにだけあるだろう
  俺は死んだあとにきみの頭をすする
俺たちはたやすく雨となって
 明日は  黒く黒く 晴れるだろう





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