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日本人がいなくて

2008.05.05(16:39)

2/デュオ2/デュオ
(2001/11/23)
柳 愛里(主演)、西島秀俊 他

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 諏訪敦彦監督の『M/OTHER』を最初に見たとき、「なんだこれは!」とびっくりしたのだけれど、今回『2/デュオ』を見たときもやっぱりびっくりした。
 というものの、びっくりした、という感想はやっぱりどこかずれていて、それでいて間が抜けていて、僕が実際に見ているときに抱いていた感想とはほど遠い。
 僕は基本的に洋画ばっかり見て日本の映画はあまり見ないのだけれど、でもそれでもたまには見るし、おもしろい映画がいっぱいあることは知っている。僕が見た数少ない邦画遍歴のなかであえて言わせてもらうと、諏訪敦彦監督ほど見ていて息苦しくなってしまう映画を撮る人は知らない。本当にこの人の映画は暗すぎるし、見ているとやっぱりとても欝になってしまうし、他人に薦めることはぜんぜんしないのだけれど、それでもこの映画以上におもしろい映画をあんまり知らない。
 そこに日常としてのリアリティを感じとりたいと思うのならば、それはやはり洋画よりは邦画のほうが優れていると僕は思う。何故なら洋画は海外の情景をうつしているのにたいして邦画は日本の情景をうつしているからだ。邦画の役者たちの姿は日本人だし、日本語をしゃべり、日本的なしぐさをして僕を魅せてくれる。でも、僕はときどきよくわからなくなってしまうのけれど、だいたいの邦画は、役者が日本人でありながら日本人ではないし、日本語をしゃべっていながら日本語をしゃべっていないし、日本人でありながら日本的なしぐさをしていない。だいたいの邦画はとてもおおきな無価値な波に呑まれ、かんたんに日本であることや日本人であることを放棄してしまう。だいたいの邦画はそれが邦画であることを忘れている。

 昔、岩井俊二の『リリイ・シュシュのすべて』を見たとき、「この息苦しさとか閉塞感は何だろう」とずっと思っていたのだけれど、でも息苦しさで言えば『2/デュオ』のほうがずっと上だ。この映画を見たあとでは、『リリイ・シュシュのすべて』がいかにきれいにつくられてあるかがよくわかる。もちろん、それが岩井俊二の持ち味であるかぎり技術として否定はすることはできないし、僕は泥臭いものよりもある種日常を超越したきれいなものばかりを求めていたから岩井俊二の『リリイ~』を礼賛するのも当然なのだけれど、『2/デュオ』はその価値観を打ち砕く。

 ぴりぴりした空気、気まずい空間、いらいらしている人の近く、そのどれにも僕はやっぱりいたくなくて、いやになってしまうのだけれど、でもこの映画は映画のなかのぴりぴりした空間が画面のそとまで地続きであるような錯覚に陥る。ストーリーの後半からはずっとぴりぴりしていて、ふたりのけんか(というか、けんかにすらならないやりとり)がはじまると、「ああ、もういやだ…」とひたすらに思うのだけれど、それでもやっぱり最後まで見てしまう。それは僕がそのなかに何かとても大切なものを感じているからかもしれないし、たんなるゴシップ趣味的なものかもしれない。

 この映画はやはり人に薦められる映画じゃない。でも僕はこの映画が大好きだ。




コメント
はじめまして。
諏訪監督、私も大好きです。
監督は映画学校で指導とかされてますが、映画製作はフランスでされているようです。
あちらではかなり有名で評価されていると聞いたことがあります。トークを生できいたことがありますが、とても穏やかなやさしい方でしたよ。
【2008/05/05 17:33】 | 鯖太朗 #- | [edit]
はじめまして。こんばんは。

よかった、大好きな人がいてくれて。
そうですね、諏訪監督のもっと新しい作品はフランス映画らしいですし、とても興味深いですね。
カンヌで確か何かの賞をとっていましたね。国内よりも、やっぱり国外で評価される類の監督のような気がします。実際、おそらく国内での知名度はあまり高くないでしょう…。

穏やか方ですか。映画を見ても、確かにそんな印象はありますよね。
【2008/05/06 00:17】 | キズキ #oSfzfPCQ | [edit]
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