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足元まで続く黒いもの

2008.09.06(17:15)

ディスコ探偵水曜日 上 (1)ディスコ探偵水曜日 上 (1)
(2008/07)
舞城 王太郎

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うちの教授から幾度となく「学校に来ましょう」的なメールが来るので仕方なく木曜日に行ったが、案の定教授はいなかった。
月曜日に前橋でどこぞの先生が講演会をやるらしく、「それに参加してはいかが?」などというメールが何故か僕個人に来たのであるが、もうなんだか見なかったことにしておく。その日にバイトはないがきっと僕の言語世界のなかではバイトが入っているんだろう。だから僕が「いやーその日はバイトあるんで無理っすー」などと言ってもそれは決して嘘ではないのだ。

九月下旬に北軽井沢で合宿をするのだが、その準備をしなくてはいけない。北軽井沢まで車で行かなくてはいけないのであるがいったい誰が道を知っているというのだろう。僕は知らない。ただなんとなく僕がそういう係なのでいろいろやらなくちゃいけないのだろう。僕が知らない知らないでみんなが北軽井沢までたどりつけなかったぜんぜんしゃれにならないので、きっと何かはするだろう。

家にゴキブリが出るのは毎年のことで、毎年あまりの恐怖で発狂しそうになるがしかしそれをぐっとこらえ戦う。去年までの僕はキンチョールを食らわしてから(効かない)蠅叩きで適当なところをばしばし殴るという原始的な方法で彼奴らと戦っていたのだが、友達に「ゴキジェットってマジで効く?」と訊いたところ「マジで効く」と諭されたので、今年の僕は去年までの僕と違う、左手にゴキジェットを右手に蠅叩きを持って黒いやつと戦う。牽制としてかけただけのゴキジェットですでにばたばたと瀕死の体を見せるブラック・モンスターに唖然とし、蠅叩きでとどめをさす。ゴキジェットは一般家庭に存在してよいものなのだろうか、これは細菌兵器ではないだろうか、何の免許も持っていないただの大学生が所持していてよいものなのだろうか。ひょっとしたらこれはゴキジェットと書いてあるだけでぜんぜんゴキジェットではないのかもしれない。店の棚に一本だけ誰かがいたずら半分でしかけた偽者のゴキジェットなのかもしれない。夜間でも窓全開の僕の部屋に平山夢明の実話系怪談よろしくディープな変態さんが侵入してきたらゴキジェットで戦おうと思う。たぶん勝てる。

   ◇◇◇

最近見た映画ではシャブロルの「いとこ同志」もよかったが、ニコラス・ジェスネールの「白い家の少女」が抜群によかった。主演はジョディ・フォスターで、ジョディ・フォスターは今テレビで「あいむ じょでぃ ふぉすたあ」などと言ってアラフォー的青春映画っぽい映画を宣伝しているが、どうせ見るなら「白い家の少女」の14歳のジョディ・フォスターも同時に見てはいかがだろうか。
サイコ・サスペンスと宣伝されているけれど、これはむしろ耽美系ゴシックホラーで、特にラストのロリコンマジシャンの台詞は秀逸だった。「ああ、暖炉で、きみの髪が輝いている! 金色に! 黄色に!」。こんな感じだったがなんか違うような気がする。

本では舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日」がおもしろかった。主人公はディスコ・アレグザンダー・ウェンズディ(アメリカ人)で迷子専門の探偵で、梢という六歳の女の子を預かっているが何故かいきなりその子が17歳の梢に変身して、「私は未来からやってきた」などと言う。そんなSF的展開から派生して、ディスコは名探偵が10人以上まっている難解な殺人事件に巻きこまれる。名探偵は推理をするが間違うと目に箸をつきさして死んでしまうのだが……。
あらすじはこんな具合で、これ以上は複雑で書けないのだけれど、「ディスコ探偵水曜日」はこれまでよりも遥かに自己模倣的で、だけど同時に舞城の現時点での集大成という感じがした。あらすじはこんなんだが、サリンジャーや村上春樹をとても直接的に継承していて、特に今回は「ねじまき鳥クロニクル」にものすごくよく似ていると感じた。カタルシスが少ないのは残念だし文体がいつもより散漫なのも残念だが、とにかく傑作だろう。
2000年以降の作家で誰を読んだらいいか、と問われたら僕は舞城を挙げたい。この人は本物だと思う。唯一無二の作家だと思う。

   ◇◇◇

ビクトル・エリセのDVD-BOX(「ミツバチのささやき」、「エル・スール」、そして日本初登場の「挑戦」)が11/29に発売されるらしいので買うことに決めた。僕が「ミツバチのささやき」を見ることができたのは、たまたま近所の古いレンタルビデオショップでDVDではなくVHSが置いてあったからで、もう一度見たくてももうVHSなんてとっくに捨てられているので見ることができない。
DVDは絶版だしプレミアがついているので高くてさすがに手がでない。でもようやっと再販だ。アナ・トレント。アナ・トレント。




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