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アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち@森美術館

2008.10.12(19:29)

http://roppongi.keizai.biz/photoflash/311/

木曜日に書いたばかりなのに、なんだかもうずっと日記を書いていない錯覚にとらわれて、ずいぶん不思議な気がする。

金曜日は六本木ヒルズの森美術館に行き、「アネット・メサジェ展」を見た。
現代美術というのは普通の人にほとんど受けいれられないし、見てもあんがいつまらないものだけれど、アネット・メサジェの作品はなんといっても見やすい。
いちばん心惹かれたのは「つながったり分かれたり」(冒頭のリンク先写真参考)。動物のぬいぐるみの一部などがワイヤーでつるされ、上下に揺れているだけの作品だ。虎のあたまをつけたグロテスクな人形の頭がかくっかくっと揺れていて、これが異様になまめかしく、どきどきしながらずっと見ていた。
動物のにんぎょうなんていかにも牧歌的なものが解体され、ワイヤーに吊るされるだけでこんなにもえろく、そしてぐろくなるなんて、ちょっと不思議だ。
見ているお客さんのほうも興味深かった。親に連れてこられた子供は「怖いよー!」と本当に泣いているし(たぶんトラウマ。写真で見るとわかりづらいけれど、けっこう気持ちわるいんだ。狂牛病で死にまくった牛がテーマだし)、おじいさんおばあさんの連れあいは「森美術館て書いてあるからジブリの森の美術館と思っていたけど、違うんだね」と言っていた。ジブリを期待してこんな作品(糸で文字が書かれていたり、ぬいぐるみに色鉛筆が刺さっていたり、本のあいだにぬいぐるみがはさまっていたり)を見ることになるのは、いったいどんな気持ちなんだろう。
メサジェの作品、というよりも、一般に現代アートと言ってしまったかまわないのかもしれないけれど、こういうものを見ると、「いったいどこまでが作品なんだろう」とつい考えてしまう。
たとえば「つながったり分かれたり」は、そのひとつひとつの吊るされたもので作品となりえるのか、あるいはワイヤーの動きを含めた上下運動までも含めて作品なのか、この作品は実は背後の壁に写された影の動きもすごいきれいなのだけれどそれも作品の一部と考えていいんだろうか、なんて、アートにはいろいろな範疇が考えられる。
アートの範疇は無限に広がる。もはやものではなく、あるいはメサジェの思考自体がアートの一部だと考えても、もうそんなに奇異なことじゃないだろう。
高橋源一郎の「さようなら、ギャングたち」で、ある男が自作の詩を紙に書いて友達に見せるシーンがある。
友達は紙の表に書いてる文字を読んで、そのあと紙の裏などを注意深く点検したあとこう言う。
「この、表に書いてある文字のところが詩なのかい?」
「そうだよ」
「ふーん、たんじゅんだな」
でも、それは小説でも同じで、読んでいる人見ている人との相互コミュニケーションをひとつのテクストとして定義することだってあるんだから、本当に、「どこまでが作品なのか?」というのは永遠に解決がつかない、くだらない、けれどだからこそ重要な、ひとつの楽しい問題なのだ。

   ◇◇◇

メサジェを堪能したあと、池袋の新文芸坐に行ってゴダールの「はなればなれに」と「ウィークエンド」を見てきた。本当は木曜日にも行ってタルコフスキーの映画も見てきたかった。だけれど、水曜日の深夜がアルバイトだったし、木曜日に学校をさぼってしまうのは良くないと思って行かなかった。金曜日だからいいっていうわけでは、ないのだけれど。
ゴダールの映画はときどきうんざりしてしまうほどにわけがわからないけれど、この2篇はゴダールにしてはとてもわかりがよくて、おもしろかった。
「はなればなれに」は帽子をかぶったアンナ・カリーナのダンスがなんといっても魅力的だし、わけのわからない手法がいっぱい使われている。ほとんどシチュエーション・コメディで笑えるところがいっぱいあって、「ゴダールってこんなに笑えたっけ?」と思ってしまった。
それは「ウィークエンド」も同じで、事故にあった車が延々といっぱい映しだされている映画、と言ってさしつかえないほど車がいっぱい出てくる。クラクションの音や太鼓の音があまりにも騒がしすぎて耳が痛くなってしまうこともあったけれど、アリス然とした女の子に火をつけて燃やしてしまうシーン、あるいはナポレオンのような格好をしたレオーとの草原のシーン、そしてこれまた電話ボックスのなかで歌うレオーのシーンなどはとりわけ良かった。
後半の「なんとか機構」に拉致されてからは意味がまったく不明だけれど、カニバリズムと銃声が入り混じる森にはぞくぞくした。
2篇ともおもしろかったが、とりわけ「ウィークエンド」はかなりおもしろかったと思う。これは見なくちゃもったいない。

   ◇◇◇

土曜日は、朝から近くの高校で模試監督のアルバイトをした。朝から夕方までほぼ何もしない時間を過ごさなくてはいけないので、知らず知らずのうちに忍耐が養われているんだろう。

   ◇◇◇

私の住んでいる町の近くに「深谷シネマ」という映画館があって、「たぶん日本一小さな映画館。」なんて書かれている。現に私はもうずっと何年もこんな場所を知らなくて、なんだか少しだけ損をしていた気がする。
最近の映画だと「つぐない」や「いのちの食べかた」などの見たい映画を微妙にやっていて、「そんなに悪くないラインナップじゃん!」とちょっとうれしくなってしまった。
ちゆは「深谷シネマ」を応援しています。

   ◇◇◇

燃えるキリンの話を聴いた
燃えるキリンが欲しかった
どこかの国の絵描きが燃やした
ながい首をまく炎の色
その色が欲しかった
          ――黒田喜夫/燃えるキリン




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