スポンサーサイト

--.--.--(--:--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。





スポンサー広告 トラックバック(-) | コメント(-) | [EDIT]

まだ間に合ううちに、薔薇の蕾を摘むがいい――

2008.10.20(05:12)

陽炎座 デラックス版陽炎座 デラックス版
(2007/03/21)
松田優作大楠道代

商品詳細を見る

フランケンシュタインフランケンシュタイン
(2006/12/14)
ボリス・カーロフコリン・クライヴ

商品詳細を見る

 オールナイトで映画を見る。鈴木清順「陽炎座」とジェームズ・ホエール「フランケンシュタイン」(1931)だった。どういう組みあわせだよ、と思うかもしれないが、ほんと、僕もそう思う。あえて言えば耽美系だろうか。鈴木清順は言うまでもないが、「フランケンシュタイン」も耽美系なのだ。

 鈴木清順の作品は「ツィゴイネルワイゼン」に続いて2つめだったが、やはりおもしろい。そもそも、僕は正直な話、邦画よりも洋画、日本文学よりも海外文学(というめちゃくちゃな分けかたが許されるならば)を好んでいるのだけれど、夢野久作やら、ある種の耽美性を帯びた怪しい作品は国内のものでも好きなのだ。谷崎潤一郎も川端康成もおもしろい。
「ツィゴイネルワイゼン」は純和風的耽美性を「これでもか」と言うほど馬鹿みたいにつめこみすぎた作品であって、とてもおもしろかった。大正浪漫。たぶん、京極夏彦をはじめとしてこういう作品が好きな人はけっこう多いはずなので、がんばって紹介しよう。
「陽炎座」は「ツィゴイネルワイゼン」よりもさらに「つめこみ」すぎた感じがあって、ストーリーはあたりまえだがさっぱりわけがわからないのだけれど、でも、村上春樹と同じで「ぜんぜんわからないのにわかった気がする」というのはすごいことだと思う。
 少女の歌舞伎、水中で女の身体から鬼灯がぽこぽこ浮かんでくるところ、舞台崩壊、「鳥は馬鹿だねえ」、船がぐるぐる、すばらしいシーンは本当に数えきれないほどある。「陽炎座」では特に音声と映像が乖離している部分があって(女とものすごい遠い位置で会話をしたり)、演出もときに安っぽいが、不思議な怪しさでもってくらっとする。特に楠田枝里子がドイツ変化をするあたりなんてもう。
 あと、「ツィゴイネルワイゼン」でも思ったけれど、ここに出てくる男たちが本当にかっこういい。本当にかっこういい。あの低い声と無頼っぽいしゃべりかた。なんてかっこういいんだ。
 ……そう言えば、松田優作が動いているのをたぶん初めて見た。

   ◇◇◇

「フランケンシュタイン」もやたらおもしろかった。何故「フランケンシュタイン」なんか見ているかと言えば、ビクトル・エリセ「ミツバチのささやき」のなかで上映される「フランケンシュタイン」のワンシーンがあまりにも美しくて感動したからだ。
 少女マリアと怪物(間違えている人が多いけれど、怪物の名前はフランケンシュタインではない。怪物をつくった人がフランケンシュタインで、怪物には名前はない)の邂逅と悲劇は、まるで記録映画のような確かさで、奇妙に生々しい。というのも、普通僕たちが今少女が死ぬシーンを描こうとしたら「ドラマ」というものを考えざるをえないはずで、逆にこのシーンの少女の死の「何もなさ」というのは、圧倒的なリアリティを持つ。現に少女は花と同じように投げられたのだ。あのシーンは、感情豊かな少女が一瞬で「物質」にひきずりおろされてしまうが故に、ものすごく冷酷だ。しかもそれは、皮肉にも、「物質」から「生物」に無理やり変化させられた怪物とあまりに対照的なのだ。
 その後の、父親がマリアの死体を持って街中を歩くシーンは本当に素晴らしい。特にマリアのくたっとした、まるで人形のような死に具合は逆にリアルだ。
 今思えば、ルネ・クレマン「禁じられた遊び」(大好き)の主人公の少女もどこか人形然とした感じあって、昔の映画はそういうことが実現できていたので、偉大なのだろう。
「フランケンシュタイン」にはすごいシーンがいっぱいあって、いちいち書くのも面倒だが、とにかく風車小屋に犬やら人やらが押しよせるシーンもまた、すばらしい。ああ、おもしろいなあ、「フランケンシュタイン」!
 たぶん僕みたいに文学から映画に入った人は、あんがい、「ニュー・シネマ・パラダイス」よりも先にゴダールを知り、「サウンド・オブ・ミュージック」より先にテオ・アンゲロプロスを知り、「小さな恋のメロディ」より先にタルコフスキーを知っていたりするので(マジで)、おそらくそれはきっといろいろなところで間違っていて、いろいろもったいないのだと、ちょっと思った。でもこの勢いでいくと次は「キング・コング」とかになってしまうので、やはり、「魔人ドラキュラ」とかだろうか。

   ◇◇◇

 今日、午後9時に学校に来たのだけれど、それから今の時間まで隣の研究室の明かりが一時も絶えないのは何故。日曜だぜ。こわいよう。




コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://kizuki39.blog99.fc2.com/tb.php/405-b2c42fe2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。