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私たちの音楽

2008.10.24(00:06)

アワーミュージックアワーミュージック
(2006/05/26)
ジャン=リュック・ゴダールナード・デュー

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 初めて見たゴダールの映画は「愛の世紀」だった。この手の映画を見慣れていない当時の僕はその映画を理解しようとすることをあきらめつづけ、途中で消してしまった。そのあとに「アワーミュージック」を見た。それを見た僕は「これはいったいなんだろう」と思い、その翌日も「アワーミュージック」を見た。やはりまるで意味がわからなかった。しかし、何か「理解」とは違うべつの、もっと大切なことがその映画のなかで語られているような気がした。だから僕はその翌日も「アワーミュージック」を見て、そしてまたその翌日も「アワーミュージック」を見た。僕は毎日「アワーミュージック」を見て、「この人たちはいったい何をしているんだろう」と毎日考えた。「いったい何の話をしているんだろう」。
 そして今日も見た。やっぱり同じ感想だった。
「この人たちはいったい何の話をしているんだろう」

   ◇◇◇

 パレスチナ問題のことが知りたくて、「まんが パレスチナ問題」(講談社現代新書)と「アラブのゆくえ」(岩波ジュニア新書)を読んだ。問題の概略はなんとなくわかったが、けっきょくのところ、わかったのは概略だけだった。それもあたりまえのことだった。
 人間が生まれた瞬間、その人間のまわりには「歴史」を知っている人間がいる。そしてその「歴史」を知る人間が生まれた瞬間にも、やはりまわりには「歴史」を知っている人間がいた。歴史はそうやって現在に伝承される。知識としてではなく、もっと肉体的に、そして同時に感覚的に、歴史は継承される。僕らの肉が歴史を食べつづけている。イスラエルでは、幼稚園児が国をおわれたユダヤ人の悲しみをつらねた絵本を読んでいるらしい。パレスチナ人は自分たちの境遇を知るだろう、情報によって世界と自分たちの境遇の落差を知るだろう。イスラエル兵によって家族が銃殺されたとして、その憎悪はどこへ行くのだろう、当人の肉体を通して未来の肉に行くしかないのだ。
「許すこと」
「アワーミュージック」の地獄篇で、くりかえし語られる。言葉。

   ◇◇◇

「映画の原理とは、光に向かい、その光で私たちの闇を照らすこと」
 ゴダールはこう言った。映画館に行けば、僕らの眼前に光が現れる。それは何かの映像を映しだすと同時に、闇に塗れた僕らをも映しだす。言葉も同じだ。僕らが本に向かうとき、同時に僕らのなかに言葉が生まれる。私たちの音楽。言語としての。
 重要なことがいくつかあったような気がした。あるいは、なかったかもしれない。
「アワーミュージック」に出てくる人たちは対話ばかりしているんだろう。どうして戦争という現実が目の前に存在するなかで、対話ばかりしているんだろう。今日見た「アワーミュージック」というのは、「戦争の映画」ではなく「対話の映画」だった。

   ◇◇◇

 ドストエフスキーの「罪と罰」(新潮社文庫)をブックオフで100円で買った。上巻が工藤精一郎訳で下巻が米川正夫訳だということに、今気づいた。新潮文庫だから昔も今も同じ訳者だろう、と何の疑いもなく買ってしまったけれど、ふたつの訳が出ていたのだった。下巻に入って人物が急に「~しませんぜ!」などといきなり言いだしたので、やや戸惑っている。

   ◇◇◇

 読んだ本を記録する「読書メーター」が割合便利だと思う。そして僕らは時折自分の読んできた本を見返し、こう思う。
「俺って最近、ろくな本を読んでいないじゃないか……!」




コメント
こんにちは、はじめまして。
今日「嫌われ松子の一生」についてリサーチしていて、桜井さんのブログを発見しました。松子についての記事が面白くて、今他のもちょろっと読ませて頂いたら、ふいてしまうぐらい面白かったのでコメントさせてもらいました。これからも、ちょくちょく遊びにきます。次の記事、楽しみにしてます!
【2008/10/24 08:44】 | wansae #UiRPxaZg | [edit]
こんにちは。はじめまして。
コメントありがとうございます。

「嫌われ松子~」はとてもおもしろい映画です。「嫌われ松子~」の記事を今読みかえしてみるとどう考えても褒めすぎなきらいがあり、気恥ずかしい限りです。きっと興奮していたのでしょう。

ほかの記事も見てもらえたら、とてもうれしいです。
【2008/10/26 00:13】 | 桜井晴也 #oSfzfPCQ | [edit]
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