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私はこんな夜、ひとり、蝋燭に泣く。

2008.11.13(23:12)

欲望欲望
(2007/12/07)
ヴァネッサ・レッドグレーヴデビッド・ヘミングス

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文学界 2008年 12月号 [雑誌]文学界 2008年 12月号 [雑誌]
(2008/11/07)
不明

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 ミケランジェロ・アントニオーニ監督「欲望」って、私、いまいち良さがわからなくて、おまけに、今日は寝不足だったから、珈琲を飲みながら、うとうとと見ていた。私は、たとえば60年代のゴダールみたいな映画を想像していたんだけれど、それはぜんぜん違って、もっともっと低俗で、B級の映画で、と言っても、それは、決してけなしているつもりはなく、でも、ほんとはけなしているかもしれなくて、私には、つまり、なんだかよくわからなくて、ほんとのことを言っちゃえば、やっぱりつまらなくて、でも、最後のテニスコートのシーンはとても冷徹で、あれは、タルコフスキー「ノスタルジア」のドミニコの演説シーンを思いだしてしまうほどに幾何学的で、少し、怖かった。ぞっとした。
 横浜トリエンナーレで「大きくしなやかでセクシーな自分を喰らう裸のヴァンパイア」という作品があって、(名前間違ってるかもしれないけど)それは、何にも載っていない台だけあって、でもそれがライトに照らされるとその台の後ろの壁にヴァンパイアの影がうつしだされるという作品だったのだけれど、どうやってその影をうつしているのか、私にはよくわからなくて、そして、私のほかの人もきっとわからなくて、台の上に何かしかけがあるんじゃないかと、台の上で手をぶんぶんふりまわして、たくさんの人がスタッフの人に「作品に手をふれないでください」と注意されていて、困惑しながら、その光に幻惑されて、私も、ぼうっとそれらを見ていると、困った顔をしたおじさんが話しかけてきて、「これは何なんですか? 台の上には何かあるんですか? スタッフの人に訊いたけれど、台の上にはヴァンパイアがいるって言うんですよ」と言うので、私はしたり顔で、「台の上には何にもありませんよ。何にも見えていないですよ。あれは、きっと、台の上に見えないヴァンパイアがいるというコンセプトの作品なんですよ。だからスタッフの人もそのコンセプトにあわせ、台の上にヴァンパイアがいると主張するし、台の上の中空にふれようとすると『作品にはお手をふれないでください』と注意するんですよ」なんて話したわけだけれど、今考えれば、それは圧倒的に間違っていて、私はそう思っていても、「え? 見えないんですか? いるじゃないですか、ヴァンパイア!」と大げさに驚いて見せるべきであって、そもそも、私の解釈は間違っているかもしれなく、本当にほんとは、私とそのおじさん以外の人には、台の上にヴァンパイアがいるのが、見えていたのかもしれない。
 私はそのとき、何か大切なものを裏切ってしまって、もしかして、それは相当に痛々しいことなのかもしれなくて、でも、それはもう、あたりまえだけれど、取りかえせないのだった。

   ◇◇◇

 モチベーションを保つために、新人の作品ぐらいは読もうかと思って、だから、「文學界12月号」を買ってせっせと読んでいる。上村渉の「射手座」は、たんたんと書いているのだけれど、腐臭にも似た不気味さが漂っていておもしろく、選考委員の誰かが言っていた、「登場人物は好き勝手なことばかり話している」というのは、とても当を得ていると思っちゃって、あと、対話主体で進められていくのにこの無関係感は何なんだろう、とも思っちゃって、誰も何も進歩しないし、何もよくはならず、ただかすかなにおいだけが木々に残っている、そんな作品で、もうひとつの、松波太郎の「廃車」は私にはとても最後まで読めず、最初のほうで車がクラッシュしたところでやめちゃったんだけれど、私は、これはJ・G・バラードとか、たぶん、そのあたりのSF作品だとしか思えなくて、というか、下地は絶対にSFだと私は思っていて、もちろん、違うかもしれなくて、でも、私には今そういう確信があって、だから、バラードが読めない、と言うよりも、SF全般がどうしても読めない、ヴォネガットですらときどきつらくなってしまう私には、この「廃車」という作品を最後まで読むことすらできなかったのも、もっともなことかもしれない。
 ところで、私は、ずっと永遠の少女にありたいと思っていて、でも、そんなものは無理で、地球の歩みにあわせて、私はどんどん醜くなっていって、だから、すごくたんじゅんに、私は永遠性を求めていて、それは楽しく、空想的だけれど、こんな夜、ものすごく悲しくなって、ひとり、蝋燭に泣く。




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