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あたしについてあたしが知っている二、三の事柄

2009.04.22(22:58)

POP LIFEPOP LIFE
(1998/06/24)
JUDY AND MARY

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 今日は会社説明会+筆記試験で5時間を費やす。5時間! 5時間あればあんなことやこんなことができるのにな、と思いながらマークシートをぬりぬりする。最後のほう思いきりだれて気づいたら隣の椅子によっかかっていた、たぶん今日来た人たちのなかであたしいちばん態度悪かった。しかも問題難しい。社会の問題と生物の問題がぜんぜんわからない(あたし高校3年生のとき生物のテスト16点だった)。
「我が国の自然主義文学に影響をあたえたフランスの作家は誰か?」
 という問題が平然と出てきて、「フローベールかモーパッサンだな」と思ったら選択肢にありゃしない。たぶんゾラ(他の回答、スタンダール、メリメ、等)であってるはずだけれど、あたしがゾラなんて読んでいるわけがないのでよくわからない(というか写実主義と自然主義の違いがわかんない)。
 ソシュールみたいな話(知ったかぶりみたいな話)になっちゃうけれど、いくらフローベールを読んでもそこから写実主義という言葉が導きだされるわけでもないような気がする。「文学史」と「文学」というのはいくらか乖離したかたちで存在していて(だって、あたしはフローベールを読んでも写実主義の作家というふうに認識はしなかった)、文学史が文学にある日何故か名前をつけた、もう書かれてしまったものなのに、フローベールはその瞬間写実主義になった。うん。だからなんだって話だけれど。

   ◇◇◇

 mixiニュースに「遭難フリーター」の記事が書かれていて、あたし、昨晩それについて書かれた日記を飽きるまで適当に読んでいた。なんかへんだなと思って、突然気づく。あたりまえだけれどこれらの日記は「遭難フリーター」について書かれた日記ではなく、「『遭難フリーター』という映画はこういう映画ですということを書いた記事」について書かれた日記だった。だからみんな推測でものを言う、「パチンコが…」とか言いだす。
 見たことのない映画について語るべきかどうか、あたしそれはわりかし難しい問題だと思うけれど、基本的に語ればいいと思う。語る資格なんて一生得られない、知らないことについて語る、そうすることについて何かを知ることになるかもしれない。でも何故か多くの場合、あたしたちは「見たことのない映画」について語るとき、その映画についてされている宣伝について語ってしまう。見たことのない映画を前に、読んだことのない本を前に、会ったことのない人間を前に、あたしたちは何を語れるんだろう。何故あたしはさもあたりまえのように三角みづ紀について語るんだろう。三角みづ紀の書いた本が彼女についての宣伝であるならば、あたしは彼女について語っているふりをしながら彼女について書かれた宣伝についてしか語っていないんじゃないだろうか。
 以前あたしは160kbpsの音楽ファイルとCD音源の区別がつかないと書きながら音楽について語ったら「そんな耳で音楽を語るな」と知らない人からコメントをもらった。あたしは「こういう馬鹿が音楽をだめにする」と思った。たしかにあたしの書きかた語りかたは劣悪だったかもしれないし、劣悪かもしれない。けれどそれでも、ドレミもわからない人でもmp3とCD音源の区別がつかない人でも音楽について語ればいい、カメラをさわったことのない人でも映画について語ればいい、村上春樹の主要な作品を読まなくても村上春樹について語ればいい、自民党と民主党の区別がつかない人でも政治について語ればいい、とは思う。もちろん、語りかたにはそれなりに注意を、して。

   ◇◇◇

 映画は新聞やニュースと違って個別的な手法だと思う。映画では個人としての人間がどんなふうに生きているかということを見ることができると思う。だから、せめてあたしは映画を見たあとには個人的なことを語りたい。
 あたしがやろうとしていることは、個別の言葉を手にいれることだと思う。「遭難フリーター」を見て「つまり派遣社員は~」ということを語りたくない。「岩淵さんという人は~」とか「あたしは~」ということを語りたい。あたしだけの語りかたで、あたしの感じたことを語りたい。そしてそれが閉鎖的でないようにしたい。そのためにどうしたらいいのか、わからないけれど。
「遭難フリーター」は、それを見て「派遣は自己責任かどうか」ということを考えさせる映画であるとはどうしても思えない。「派遣は自己責任だ」とか「借金があるなんて自己責任だ」とか語られるとき、人間が語られていないことに気づく。「遭難フリーター」は岩淵監督がえんえんぶちぶち言っているだけの映画だから、岩淵監督について語ればよくて、「派遣は自己責任だ」なんてことは、二の次だと思う。「遭難フリーター」を見て一般論を語ろうとする人は、「遭難フリーター」を語ることによって自己の権力を拡大させようとしているように見えてしまう。もちろん、それは潜在的にはあたしも変わらない。あたしも「遭難フリーター」を語ることによって「自分はこういう人間でこういうことを考えている」ということをおおっぴらにし、それによって自らの自己顕示欲を満たしている。おなじあなのむじな。
 映画は語られなければいけない。でもどう語るかは考えられなくてはいけない。
 あたしも一般論を言う。誰かに何か言いたいとき、一般論しか言えないと、はがゆくなる。申しわけない気がする。問題は一般論と個人的な見解というふたつのものが混ざりあった状態で存在しているということで、あたしの意見は必ず一般論を含み、誰かが発言する一般論には必ず個人の見解が含まれている。そういう前提は確かにあるけれど、あたしはそれをうっちゃってでも、自分の言葉がしゃべりたいと思う。
「もっと劣悪な環境で我慢している人もいるんだ。おまえも我慢しろよ」
 という類の言葉がほんとに他人を救うなんて信じたくない。
「学校で勉強しなかったのが悪いんだ。おまえが遊んでいるあいだにほかの人間は勉強していたんだ」
 これらの言葉は正しい。でも、何度も言うようにあたしはその正しさは正しくはないと思う。だからあたしは正しくないことをしゃべりたい。一般論からどんなにずれていたとしても、ほんとにその人のためになるような言葉を獲得したいと思うし、あたしは、そういうことが書きたい。他人を愛したい。そしてあたしはその人のためにあたしの言葉を使いたい。あたしが他人を愛しているというその現象をあたしと相手がともに肯定できるような言葉がほしい。あたしはきみを含む集合体に話しかけるんじゃない。あたしはきみに話しかける。きみに話し、かけたかった。
「それはエゴだよ」
 きみは言うかもしれない。そうかもしれない。あたしは他人を愛するため他人をだますために言葉を使う。それがエゴだよ。あたしもエゴだと思う。あたし!あたし!あたし!けっきょくあたしなんだと思う。でも、ほんとに正直言って、あたしにはどうしたら他人のことを語れるのか、よくわからない。




コメント
デジャヴ。

前見た記事より(デジャヴなので、前見た記事なんて、ないですけど!)親切になっているのが、
それはたぶん愛に付随する話し方の表れ方のうちのひとつに見える、私の目です。

フランス文学はおそろしいので読んだことがありません。
読んだことがないのにおそろしいということがわかるくらいに、
フランス文学はおそろしいです。
読んだことないですけど。

試験作成者が想定している回答はおそらくゾラで正解だと思うのですけれど、
フランス文学なんておそろしくって読んだことのない人間にも
「たぶんゾラ!」
て判断できる時点で、
なんだか変なことが起こっているようであるよ、と思うのです。
【2009/04/23 07:51】 | 管城春 #NvBLVV0c | [edit]
デジャヴなんてよくあることです。
腹が立ったから腹が立ったことについて書いて眠って翌朝みるとそんなことすっかり忘れちゃって「じゃあ俺はべつにむかついてないんだよ」と思った人がいる、らしいです。

僕の知らない誰かがフランス文学について一生懸命宣伝しているみたいです、ゾラを読んだことのない人間でもゾラについて何か言ったりするのですけれど何故か多くの場合「ゾラおそろしい!」とは言わないのです。

ふむむ。
【2009/04/23 17:11】 | 桜井晴也 #oSfzfPCQ | [edit]
フランス文学を一生懸命宣伝しているのは私です。嘘です。
ゾラは読む気がしません。ポリス・ヴィアンを読みたいです。「嘔吐は」傑作です。バタイユも素晴らしいです。
大体フランスくらい狂っている国はないと私は思うのです。と、いつかフランス人に言って、叱られてみたいです。
【2009/04/23 19:11】 | 桜桃紅姫 #Ahechwh2 | [edit]
だいじょうぶ、僕も一生懸命宣伝してます。
「嘔吐」はずっと本棚に潜んでます、潜みすぎてちょっと怖い、バタイユはうーん、ヴィアンは「うたかたの日々」しか読んでいないけれど傑作です。おしゃれなブルジョアジーが読むような本です、語感のみで考えると。

僕もフランスがいちばん狂っていると思います、次はにっぽん。
【2009/04/24 22:03】 | 桜井晴也 #oSfzfPCQ | [edit]
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