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しあわせ

2009.04.28(01:02)

フレンズフレンズ
(2008/06/11)
ビーチ・ボーイズ

商品詳細を見る

「slowlowlifelive」の春さんとお会いした。「三角みづ紀は怖い」と言い、「ポニョが怖い」と彼女は言った。残念ながら(ほんとに残念)あたしには何も怖くない。ただ嫌なだけだ。あらゆることが嫌で、そしてときどき好きなだけ。あたしが三角みづ紀に対して持ちうる感情のいずれかを彼女は「怖い」と言っているという可能性はあるけれど、あたしにはどうも違うように思える。バリアを張る、アンテナを張る、それが同時に起こるのだと彼女は言う、ぜんぜん矛盾でもなんでもないはずなのに、そういう大事なことはいつも言語化されないし、相手にされない。彼女の感情にたいして、あたしを含めた多くの人たちは何を言えるんだろう。矛盾してないよとあたしは言える。じゃあその先は? 理論は他人を救わないだろう、あたしはあたしにとってせつじつな問題がどうして他人にとってせつじつな問題にならないんだろうと何度も思ったけれど、問題の共有化や痛みの共有化なんて傲慢なことだ。わかりたい、わかりたくない、痛いから、生きづらくなるから。
 あたしたちはたぶんどうしたらいいのかわからないんだろう。少なくともあたしはどうしたらいいのか、よく、わからない。
 笑っちゃうのは、おそらくあたしが幸せだということだ。それを思うと、笑いながら反吐が出そう。あたしは幸せなんだろう。彼女はどうだろう、彼女も幸せなような気がする、けれど。
 あたしは文章を書く意味はあたしが幸せであることを認めたくないからだ。あたしは幸せではないと意識的にも無意識的にも断言する圧倒的なしあわせ。

   ◇◇◇

「映画のポケット Vol.19」に行ってきた。「映画における家」がテーマで、テーマだけ見ればどれだけマニアックなのかとつっこみたくなるけれどそういうものではもはやなく、ゲストのゆかぞうさんが家とかそういう問題ではなくしゃべり倒していたのでたいそうおもしろかった。映画というのはつっこもうと思えばいくらでもつっこむことができて、それはテクニックであったり特性であったり愛であったりする。映画(とか小説とか詩とか)は褒めても叱ってもあんまり育たないだろうけれどつっこめばにょきにょき育つのだろうな。「牝猫たちの夜」と「私は二歳」と「私は20歳」が特におもしろそう。シャッター萌え。カラックスの映画というのは見る前は傑作だけれど見るとがっかりするような気がするから見られない。

   ◇◇◇

 日仏学院という施設でフィリップ・ガレル「処女の寝台」とロベール・ブレッソン「たぶん悪魔が」を見る。
 フィリップ・ガレル「処女の寝台」はフランス語で字幕なしでの上映だったので何がなにやらさっぱりわからなかったけれど、字幕があってもほぼ間違いなく何がなにやらさっぱりだった。何がなんだかさっぱりなぶんだけ画面に何が映るんだろうというおもしろさがあって、キリスト教の知識がないあたしには、そこに描かれる寓話はあらゆる意味を喪失し、純粋に映像になる。眠る。見ていておもしろいとかそういう問題を越えていて、そんなものが映画としてたいしたものだとはぜんぜん思わないけれど、どうせガレルの映画がやっていたらあたしまた見にいくんだろう。なんでだろう、なんで見ちゃうんだろう、絶対おもしろくないのに。
「映画というのはおもしろいかおもしろくないかが重要だ」と思っているわけだけれど、ガレルの映画はそういう概念を軽く覆す。ただ「白と黒の恋人たち」はおもしろい。あたしが思う最高の美男美女カップルが映っていて、俗な言いかただけれど、あらゆるシーンが絵になっていて、泣きたいくらいきれい。
 ロベール・ブレッソン「たぶん悪魔が」はきちんと字幕がついていたけれど何がなにやらさっぱりわからなかった。傑作だった。何がなにやらわかる映画のような気がして「何がなんだかわからない」と言うのを躊躇していたら、一緒に見ていた森山さんが「ぜんぜんわからなかった」と言ったので安心した。ブラウンを基調としたシックな色調がちょうど好みで見蕩れた。街や室内がすごくきれい。あと監督は下半身ばっかりうつす、足、足、足、それがへんな緊張感を生んでいて怖い。萩原朔太郎の詩に「帽子の下に顔がある」とかなんとか惚れ惚れするくらい不気味な表現があるけれど、ブレッソンの映像にはどこか共通したところがあると思う。
 生まれて初めて上映事故に遭遇した。
 就職活動に関連して、森山さんがホチキスの話をしてくれる。ホチキスとかボールペンを開発したいと思っている人なんてこの世界に5人ぐらいしかいないんじゃないかとあたし思う、「新潮社に入りたい!」とか「スクエニに入りたい!」というのは理解できるけれど、たとえば「コクヨに入りたい!」という人はいったいどういう思いでコクヨに入りたいのかぜんぜんわからない。「コクヨの製品はほかと違うよ、このノートのマス目がさあ! ぐへへ(よだれ)! ごらん、この美しさを!」と言う人は見たことも聞いたこともないし、いたらコクヨ社員よりも芸術家が向いていると思う。コカ・コーラに入りたい人がそんなにコーラを美味しくしたいと思っているとはどうしても思えない。そういう人じゃなければ入れない、というわけではないだろうけれど、あたしには想像力が足りないのだな。
 村上春樹の「ノルウェイの森」に出てくる突撃隊は「地図がつくりたい」と言っていたけれど、世のなかにはいろいろな人がいるみたい。あたしは想像力がないから小説を書きたい。




コメント
こんにちは、シャッター萌え。(挨拶)
一昨日は有難う御座いました。

私の人生はハッピーの連続で本当は全然痛くもなんともなく、大概のことが嘘で、悲しいのだとすればつまりそれくらいなのでした。でも私は嘘が好きなので、それすら悲しくもないのですけれど。
こわいこわいと思っている状態の私は無敵状態なので最強。アンテナバリアで最強。前人未到のびびりの極み、ちっともすごくない。

そもそも「せつじつ」という概念が私はいまいちわからず、そればっかり考えているのでした。

>ゲストのゆかぞうさんが家とかそういう問題ではなくしゃべり倒していたのでたいそうおもしろかった。
たいそうおもしろかったです。
【2009/04/28 13:49】 | 管城春 #NvBLVV0c | [edit]
こんにちは。シャッター萌え。
こちらこそありがとうございました。

僕がわからないのは、
痛いとか悲しいとか幸せだとか、なんとか、言うけれど、どうして自分が痛い状態にあるのかとか悲しい状態にあるのかとか幸せな状態にあるのかだとかがわかるんだろう、そういう類のことです。ぜんぜんわからない。
びびりの極致はさいこうレベル。

「せつじつ」はきっと誰かが詩として小説として日記として書いているものが自分の興味をひくか、という問題だと僕は思ってます。太宰とか三角さんとかサリンジャーとかドストエフスキーとかあと僕の知るいくつかのブログはわりとせつじつ、でもいくらおもしろくてもたとえばジョイスなんてぜんぜんせつじつじゃないのです。ほとんどの詩も。
おもしろいもの、きれいなものはいっぱいある、でもせつじつなものはほんとに少ないし、おもしろいとかきれいなものは人間が切り離されても生まれるような気がするけれどせつじつなものは人間と切り離せないような気がします、だから(ものすごく抽象的な意味で)一緒に歩いていきたいとか、たぶんそういう感じのイメージ。

ぜんぜん話変わりますけれど、
スガシロさんじゃなくてカンジョウさんだったんですね。
ごめんなさい。漢字読めなくてごめんなさい。あとでせせら笑っておいてください。
【2009/04/28 17:01】 | 桜井晴也 #oSfzfPCQ | [edit]
桜井様
こんばんは。ゆかぞうです。「映画のポケット」お越しいただきありがとうございました。

「たいそうおもしろかった」と書いていただいたのは光栄至極なのですが、その前の「家とかそういう問題ではなくしゃべり倒していた」というのに赤面しました。それではまるでテーマを無視していたということに・・・なりますね・・・(緊張していたので全くそんな意識もありませんでした。あああ)

ともあれ、面白がって頂けたという点をポジティブに捉え、これからも心強く参ろうと思います。今後とも宜しくお願いいたします。

【2009/05/01 00:30】 | yukazo_k #JalddpaA | [edit]
お呼びだてして申しわけありません、こんばんは。

>「家とかそういう問題ではなくしゃべり倒していた」

あああそれはもちろん褒め言葉です、適当なこと書いてすみません!
ちゃんと家のこともしゃべっておられましたよ、家についてしゃべりながらそこから派生したりつきぬけていくような感じのトークが、おもしろかったのです。
僕は何がテーマでも何をしゃべってもいいんだ、というふうなスタンスでは一応いるのですけれど、それでも! たぶん家のことはしゃべってらしたと思います。

どうか心強く。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
【2009/05/01 01:16】 | 桜井晴也 #oSfzfPCQ | [edit]
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