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かれは、今まで一度だって自分の詩のなかで愛の言葉を書いたことがなかった。

2008.03.30(16:36)

今日は一文字も文章を書いていないので、
何かを書かなくてはいけない。

「映画のポケット」にでかけた。
朝起きると6:00だったので、
「そんなはずはない、
僕がそんな早い時間に起きるなんて。
これは何か重要な、
しかし自分にとってひどく不都合な悪夢にちがいない」
と思い、もう一度寝た。
起きると、出発予定時刻を大幅にオーバーしていた。

電車のなかで、
カルヴィーノの「むずかしい愛」を読んだ。
物語についての小説を書く上で最高の作家は、
オースター、マルケス、カルヴィーノだと思う。


それにかれは、今まで一度だって自分の詩のなかで愛の言葉を書いたことがなかった。一言もだ。
                       

とりあえず「ルノワール+ルノワール展」に行く。
渋谷という街には僕らを破壊する強力な毒素がうずまいているので、
ほうほうのていでBunkamuraまでたどりつく。
ルノワールの絵ばかりが飾られていたので、
ルノワールの絵ばかりを見る。
ルノワールじゃない画家がルノワールやその家族を描いた絵もあったけれど、
普通にルノワールの絵だと思い、
「へえ。ルノワールもこんな感じの絵を描くんだなあ」
とうなずきながら見ていた。
我が目を疑う。
裸の女の人が水際で横になりこっちを見て笑っていたので、
その人の緑色に変色した足首を見ていた。

中途半端に時間があまったので、
池袋に行く。
disc UNIONとジュンク堂書店に行く。
disc UNIONで、
RADIOHEADの「IN RAINBOWS」と、
Bob Dylanの「THE FREEWHEELIN'BOB DYLAN」を買う。
ジュンク堂書店で、
カフカの「ノート1 万里の長城」と、
「流刑地にて」を買う。
ジュンク堂書店3階と4階の居心地がよすぎる。
将来はジュンク堂書店の3階か4階に住みたい。

「映画のポケット」が開催される下北沢に向かう。
下北沢の駅で、駅員に、
「○○(僕の家がある街の駅)に帰れる最終の電車って何時ですかね?」
と訊くと、
駅長室に閉じこもってなかなか出てこない。
何気ない言動が他人の心を深く傷つけることを知り、
また一歩成長する。

「映画のポケット」の今回のテーマは、
「映画にでてくる妙な女」らしい。
自分だったら何を挙げるかな、
と考えると、
どうも自分が見た映画のなかで気にいった女の子のことばかり浮かぶので、
このテーマは危い。

紹介された映画のなかでは、
グリフィスの「スージーの真心」と、
ルイ・マルの「ブラック・ムーン」が気にかかる。

以前blogに書いたかもしれないけれど、
すでに映画文法が確立された映画を見ている僕らは、
映画文法が確立される前に映画を撮っていた人たちのことは知れない。
彼らと僕らのあいだにはかぎりない断絶があり、
そこは深く暗く、
とても飛びこえることができない。
保坂和志は小説を書く上で、
「テクニックを身につけるより、テクニックを捨てるほうが難しい」
と言っているけれど、これと同じ問題だろう。
様々な映画文法によって塗りかためられた最近の映画。
映画文法自体は否定されるべきではないけれど、
映画のまとうものが肉なのか鎧にすぎないのか、
せめて、
我々はそこから出発しなくてはならない。
グリフィスに比べ、
僕らは余分なものを映画に塗りたくる。
塗られたものを自らの血肉とするか、
文字通り身を守るための鎧とするか、
それはいくらか重要な問題だろう。
この時代に鎧をまとっている人をみたら、
「ぷ。だっせえ」
と言うしかないからだ。

「ブラック・ムーン」については特に言うことはない。
実におもしろそうな映画だ。

終了後の飲み会、
僕の隣で、
近代文学が女性を発見したことに関する、
非常に高度な議論がくりひろげられていた。
柄谷行人が、
「近代文学は『子供』を発見し、『内面』を発見した」
とか言っていたような気がするが、
とにかく、
僕の「吾輩は猫である」は本棚でほこりをかぶっている。

帰りの電車のなかで、
カポーティの「冷血」を読もうとしたら、
僕の隣で、
ふたりぐみのヤンキーにより、
初期のスパロボから後期のスパロボの変遷に関する、
非常に高度な議論がくりひろげられていたので、
「冷血」を閉じ、
そっと聞きいる。




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