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彼女が鞄からとりだそうとしなかったもの

2009.05.19(18:12)

アワーミュージック [DVD]アワーミュージック [DVD]
(2006/05/26)
ジャン=リュック・ゴダールナード・デュー

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 会社説明会に行くはずだったのにじゃっかん寝坊、きちきち支度して食パンを口にくわえてローラーブレード履いて光る街に飛びだせば間にあったのだけれど、もうひさしぶりにあらゆることが嫌になりぶっちぎれた。脳の血管が23本ぶっちぎれた。行かなかった。これで屑になった、一度屑になったその日はとことん屑でありたいと願う俺だから、さらに究極の屑になるためにふて寝。やることいっぱいあるのにふて寝。しかしうとうとしかけたところで会社から面接の日時を決めるための電話、さらにさらに屑になるために電話を切った瞬間ふて寝、したのだけれどうとうとしかけたところでべつの会社から面接の日時を決めるための電話、あたしはふて寝すらできないのか。仏に会っては仏を殺せ。面接+GDが4回も入っている、まるで、まるで3月をそのままやりなおしているかのようだね!

   ◇◇◇

 七尾旅人の「911 FANTASIA」が思ったよりも傑作だったので何度でも書く。「ヘヴンリィ・パンク:アダージョ」は聴きかたがわからなかったのでぜんぜん聴いていないのだけれど、「911 FANTASIA」は聴きかたがわかりやすいのですごく聴きやすい。高橋源一郎は「窓のそとを見つめることも映画監督の孤独のつぶやきも文学だ」と言い、ゴダールは「私は映画について考えることと映画をつくることを区別したことはないのです」と言い、僕の友達は「私は週に一度パンツを洗いにいく。他人はそれをアルバイトと呼ぶけれど、私はそれをアートと呼んでいる」と言った。あたしの場合、文学を中心としているから、本を読んでも、映画を見ても、アートを見ても、それを文学と呼ぶ。あらゆるものが文学である、とは言いたくない、この世界のあらゆるものは「あたしが文学と呼びたい文学」と「文学と呼びたくない文学」にわけることができる(しかしあらゆるものを文学として解消していくことを、あたしは醜いことだと思っている)。そんなふうなわけかたに特に意味はないけれど、あらゆるものが文学であるならば同じようにあらゆるものは音楽であらゆるものはアートなのだと思う。
 たとえばあたしが好きになりたいのは拡散性なんだと思う、七尾旅人「911 FANTASIA」はたまたまCDとして売られているけれど、べつにこれがデレク・ジャーマン「BLUE」のような映像作品としてつくられる可能性もなくはなかったと思う、ただ七尾旅人は自分のことを「音楽の人」だと思っているだろうから、CDで出すことは、まったく自然なことだったのだろうと勝手に想像するのだけれど。拡散性、と言ったのは、「911 FANTASIA」が高橋源一郎や舞城王太郎や岡田利規や村上春樹やゴダールやジャーマンなどにつながっていくからだろうと思う、そういうつながりかたをあたしはとても心地よく感じるし、ほんとにあたしは暇人だから、作品を聴いたらそれを結びあわせる作業ばかりしている。結びあわせるという作業は恣意的なもので、結びあわせようとすれば何にでも結びあわせることができる、だけど、あたしに「結びあわせよう」とする意志を起こさせるもの、それが作品の持っているポテンシャルの一部、になりうるのかなあとちょっと思う。

   ◇◇◇

「アワーミュージック」(次の土曜日、新文芸坐、オールナイト、です)という映画のなかで、ある女性が出てくる。彼女は人質をとり自爆を口にしていた。そして鞄から本をとりだそうとしたところで、狙撃兵に射殺された。彼女は「彼女が鞄からとりだそうとしなかったもの」によって殺された。そういうことは起こりえるし、おそらく毎日起こりつづけているのに、残念なことに、あたしにはそれを語るための言葉が存在しない。その射殺された女性がほんとはいったい何なのか、語ることができない。「911 FANTASIA」のなかで、七尾旅人はテロや戦争やそのほかのことについて語りえないことを嘆き、そして語る相手すらいなくなってしまったことを嘆く。「911 FANTASIA」のラストのやさしさに満ちたあの歌について、あたしはわるくはないと思っている。「あたしたちは語りあっているんじゃなくて爆弾を投げあっているだけだ」とあたしはかつて書いた。語ることができない、ということは、とても怖いことだと、思うのだけど。

   ◇◇◇

 よく考えたら木曜ゼミじゃん。ほんと忘れてた。どうしよう。翻訳の雑務もまわってきた。語りあっている場合じゃなくてゼミ室に爆弾投げたい。




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