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三角みづ紀ワンマンライブ「ひやみず・・・2」@関内リトルジョン

2009.05.31(18:21)

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 幸せ、なんだろうね、幸せだということを規定することはかんたんなのに、幸せを噛みしめることはなんて難しいんだろうね、飴をがりがり齧る、がりがり、がりがり、あたし、何味だかわからない飴をがりがり、やって、幸せなんだろうね、幸せだと規定したところでほんとは幸せではないのかもしれず、規定したその先にあるものは幸せではないと思ったときの、その罪悪感みたいなものは、なんだろうね。

「スロウロウライフライブ」の管城春さんと遅咲きガールさんを誘って、関内リトルジョンで行われた三角みづ紀さんのライブ「ひやみず…2」へ。2時に横浜で待ちあわせをした。管城さんが「健全なところと不健全なところどちらがいいですか?」と訊くので当然のことながら「不健全なところ」と答えると「お酒を飲みに行きましょう」と言った。お酒を飲みに行った。またこのパターン。お酒を飲んだ。お店の人がお酒をくるくるまわしていた。くるくる。
 8時から始まるので関内に移動し、いきなり迷う(ごめんなさい)。みどりの人に道を訊き訊き、なんとか、たどりつく。
 三角みづ紀さんのライブは、三月三日に高円寺ペンギンハウスでのソロを見たきりなので、バンド編成でのライブはこれがはじめてで、どきどきした。朗読、というものをどうやって聴けばいいのか、たといそれに音がのっかっていようと、ぜんぜんわからないし、べつに、わからなくてもいいと思っていて、というより、あたしは日本語の歌でも歌詞(の意味)をきちんと追って聴くということがうまくできず、だから、朗読というものも、あたしはその言葉が読まれた瞬間にすべて聴きながす。全部消える。消える、ということは、けれど消えるまではたしかにあったということかもしれない。幻想、なのかもしれないけれど、ああでも幻想でもよくって、とにかく、「夕日の隣まで叩かれております」の朗読はさいこう! 「わたくしがあなたであったころ/悲しみは栄養価が高かったものです」もいいし、「素敵な鎖骨にえきたいがあふれておりまして」もいいけれど、とりわけ「僕の好きなあの子の話をしましょうか/サングラスがとても似合うんだ/ギター弾きながら唄うの/寝顔をあまりみせてくれなくてね/一度だけ、一度だけなんだけどあの子が先に眠って、/あの子があの子じゃなくなって、/遙か巨大、グロテスクな怪物のようになっちゃって/だけど、僕、/あの子好きだ」のところが、好き。サングラスがとても似合うんだ、ギター弾きながら唄うの……。
 どこを見ていいかぜんぜんわからなかったので、あたし、三角さんの足元とか見ていた。三角さんの靴とか見ていた。でもあとになると靴を脱いじゃっていたので、靴を見ることはできなかった。そうして、だいたいべつのことを考えていた。煙草吸いたい、とか思っていた。あたしは絵画を見ているときとか、あるいは場合によっては映画や演劇を見ているときでもだいたいべつなことを考えていて、それはライブであればさらに顕著で、「そういうのってどうなんだろう」ってずっと思っていたけれど、柴崎友香さんがエッセイで「ライブのときは関係ないことを考えている」と書いていて、「ああ、じゃあ俺もそれでいいや」と思った。
 あたしが「感極まった瞬間を見た」と遅咲きガールさんにあとで言われたけれど、べつにぜんぜん感極まっていなくて、たぶん彼女のほうがよっぽど感極まっていただろうと思う。あたしはだいたい何を見ても感動なんかしないし、「サーカス」が始まったときにあたしは背中に鳥肌がたったけれど、それはただ「友川さんの『サーカス』だ! 中也だ! ひゃほ~い」という気づき、あたしの大好きな三角さんがあたしの大好きな歌をうたうという気づき、という刹那的な感動でしかなく、作品そのものへの感動ではなかったと思う(歌はすごくよかった、しんじてくれないかもしれない、でも、ほんとだよ)。あたしはたとえば就職活動の帰り、しかたなくスーツで美術館に行ったりするのだけれど、最近は暑くてそれなりに汗をかいていて、それで美術館の空調の整ったなかで絵を見ていると背中の汗がすっとひいて鳥肌っぽいものを感じることがあって、でも、あたしはその鳥肌っぽい感動が、絵を見てのものか汗がひいていく作用のものか、ほんとに区別ができない。好きな絵を見たときに鳥肌がたつような気もするし、そうでないような気も、する。でもだいたい美術館のなかにいるときは「足疲れた、どこで休もう」とかそんなことばっかり考えているので、きっと、絵なんて。三角さんのライブで、まわりの人が、なんだか感極まっているように見えたから、あたしは目をつむったり口に両手を当てて真剣なふりをしたりしていたけれど、ただそうやって感極まっているようなふりをすれば感極まることができるかもしれないと思ってやっていただけで、なぜって、あたしは何を見ても何を感じても何を感じなくても泣くことなんてないんだから、三角さんのライブでだけは、泣きたいんだよ。どうしても、泣きたかったんだ。泣かないけど。すごいよかったけど。ほんとだけど。「カナシヤル」。
 三角みづ紀さんが何かを書いている(あるいはうたっている)というその現象は愛しく、うれしい。

 ほとんどなんにも食べずにライブ行き、おなか空きすぎて死にそうだったので何か食べるため早々にリトルジョンをあとにした。ピザを食べてお酒を飲む。ピザ美味しい。遅咲きガールさんは行く前には「おとなしくしてる」とか言っていたけれど、ぜんぜんおとなしくしていないで蹴られた。スカートをあげるとか、切り裂いたシャツをあげるとか、後にはヒールをあげるとかいろいろ言われたけれど、ごめんなさい、全部いらないです!
 お友達のうちに泊まりに行くという遅咲きガールさんをお見送り。あたしは終電をもお見送りして、というか、ごはんをパスして乗ろうと思えば乗れたけれどライブが良かったので(ひっそりと)とてもテンションが上がり、管城さんにつきあってもらって始発まで遊ぶことに。管城さんが「つけ麺を食べたい」とパンキッシュなこと言ったのでつけ麺を食べに行ったけれど出てきた量が尋常じゃなかった。なんでピザを食べたあとにつけ麺を食べられると不思議なことを思っちゃったんだろう。あんなの、ピザ食べてなくても全部食べられないよ。おなかがいっぱいすぎて一滴たりとも何も入らなくなり、とりあえず歩くことに。関内をてくてく歩いて、夜の横浜スタジアムで子供の幽霊の声を聞き、ひらたい人間のお話とフィリップ・マーロウとプリンの話をした。歩いているうちに関内駅にもどってきてしまい、とりあえず桜木町までまたてくてく歩いた。バスの来るはずのない停留所のベンチに座り、ラオックスと眼鏡の話をした。みなとみらいまでまたてくてくして、何故か怖い話をする。彼女は、すごく怖い。「私は私が5億円をもらえる人であることを知っている」と言っていた。「なので5億円をもらえないこの世界はひどくまちがっているんです」。寒くなって歩きだすと(夜中の3時なのに)犬を放したランニングシャツ姿の人とすれちがい、彼女が怯えた、「どっちが怖いんですか?」と訊くと、「両方!」と答えた。「犬を放し飼いにしちゃいけないけれど、飼い主も放し飼いにしちゃいけないです」と彼女は言った。レンガ倉庫のほうまでやってきて、「東京湾のごみを見にいきますか?」と言うので、海に沿って山下公園までまたてくてくした。彼女はひょっこりひょうたん島の歌をうたっていた。山下公園に着き、うみとごみを見ながら、Happy Lawsonの店員のハッピー性についてと、海を眺めるベンチの空間的連続性と精神的非連続性についての話をする。彼女は、白々と東の空が明るくなってくると「そんなはずはない。あれはプロジェクタで朝の光を投影しているだけです」と言い、山下公園の水の守護神の像を後ろから見て「肩におおきな瘤ができてる!」と言った。だいぶ明るくなってきて、汚らしさも増えた。車が走り鳩が空を飛んだ。桜木町駅まで来ると、もう始発は動いていた。さよならをした。
 帰りの電車のなかで「ひやみず」を買い忘れたことに気づいた。俺、死ねばいいのに。




コメント
私も映画や芝居を観ている時にあまり関係ないことばかり考えています。「これの感想文、どうやって書こうかなあ」とか「明日の起床時体重なんキロかなあ」とか。
でも、絵画を鑑賞している時は「うほほーい!」ですかね。先日、加山又造展に行ったんですけど、「うほほーい!うほほーい!」の連続でした。特に「迷える鹿」と裸婦の屏風。公共の美術館ってやはり必要だなあとも思っていました。
【2009/06/05 19:36】 | 上田洋一 #- | [edit]
映画を見ているときがいちばん集中できるかもしれません。眠りこけてしまうぐらいには集中できるのかもしれません。
加山又造展はすばらしすぎましたね。隠喩としての戦争をしたくなりました。
【2009/06/07 22:21】 | 桜井晴也 #oSfzfPCQ | [edit]
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