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あたしが帰ってくるまでやさしいふりを、していてね

2009.07.11(06:08)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]
(2008/05/21)
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「今までいちばん感情移入できたキャラクタは?」と訊かれたら「碇シンジとフラニー」と答えることにしようとさっき決めた。シンジは「エヴァに乗れ」と言われることよりも「エヴァに乗っても乗らなくてもいいよ」と言われるほうがつらいということを知っている。あたしの人生は失敗すること前提だから、というか、あたしは「成功する人生」なんて信じてないから、あらゆることをたぶん「失敗したときの言い訳」としてやっているんだろうなと思う。作家として何かをなしたひとは「わたしはこれだけのことをやった」という自負をたとえば持つかもしれないけれど、そのあとに「(けれど人生に失敗した)」という言葉をつけくわえるのはかんたんだから、あらゆる成功は失敗を覆い隠すためのものにすぎないかもしれない。
「エヴァに乗っても乗らなくてもいいよ」と言われて乗って失敗したら恥ずかしい。「この恥ずかしさ」というのでだいたいのところ人生は左右されるかもしれなくて、「エヴァに乗れ」と言われて失敗したとしてもそんなに恥ずかしいわけじゃない。エヴァに乗ったことで何か問題が起こったとしても、「乗れ」と言われて乗ったのだからあたしは笑ってすませてしまう。たとえそれが人類にかかわる問題だとしても、おそらくあたしは笑ってすませてしまうと思う。「乗っても乗らなくてもいいよ」と言われたならあたしは恥ずかしく死にたくなる。笑って、すませられなくなる。それはとてもこわいことだ。
 シンジくんは知りすぎているように見える。大人が、ミサトが優しいふりをしているだけだってことを知っているだろうし、けれどそれを指摘してもなんにもならないし、正直言えば、ふりだけでいいから優しくしてほしいように見える。それはそのままあたしの思っていることだけれど。
 アスカが好きなのはアスカだけが優しいふりをしてくれなかったからかもしれない。「優しいふりをしてくれなくてしかも自分よりも弱く見えるひと」を愛する、もしかしたらそういうひとしか愛せないのだとしたらシンジくんはあたしはやっぱり気持ちわるいけれど、あたしはシンジくんが好きでたぶんアスカはもっと好き。

 エヴァに乗ることで初めてまともな人間関係を築こうとする、そのシンジくんのありかたをどうかと思えるひとはうらやましい。あたしはエヴァが欲しい。「何か他人とまともに人間関係を築くことができるように思わせてくれる媒介」が欲しい。すごく欲しい。
 そして「シンジにとってのエヴァ初号機」は「あたしにとっての文学」であることを、あたしはきちんと自覚して認識するべきだとときどき思う。あたしにはエヴァを持たずにまともな人間関係を築いているひとがいったい何をどうしているのか、よくわからないままだ。
「エヴァ」を見たり「フラニーとゾーイー」を読んだりしていると、ほんとに自分がどういう人間かよくわかってこわい。自己嫌悪にもちろん陥る、それでもって、なんというか、自己嫌悪と感動をとりまちがえてえぐえぐと泣いているのだとしたら、あたしというやつはほんとに

   ◇◇◇
 
 というわけで「ヱヴァ・破」のために「ヱヴァ新劇場版・序」を見てテンションあがりまくってうっかりキム・ギドク「悪い女」を見はじめてしまったけれどこっちもいけない。キム・ギドクは「ブレス」だけ見てほんとにおもしろくて、というのも、たとえば小林政広「愛の予感」を見て「ああ、ひとりでいるにんげんは本当はしゃべらないのだなあ。そして、何故か多くの映画監督はしゃべらないにんげんのことをわざわざ撮ろうとしないのだなあ」といたく感動したのだけれど、「ブレス」を見て「ああ、にんげんはふたりでいても会話はしないのだなあ。何か声は出すけれどべつに会話をしないことはやっぱりあるのだなあ」と思っていたくいたく感動した。
「悪い女」はメロドラマっぽく見えてメロドラマとは違うようだし、なんだかこのひとたちは人間としてばかみたいに幼稚だし、「男なんて動物的よ!」と彼女に言われて「男性ホルモンは動物的なんだ!」とぶちきれて返すあの男に対して「なんだよその台詞!」と思わず言いたくなる奇妙な感じもすごいし、「え? 俺が楽しんでいるのになんで俺の女であるおまえは楽しんでないの?」と言いたげな様子を全身で表す男たちの俗物性みたいなものもこわいし、でもそれだけじゃなくて、この映画はやっぱりなんとも言えない。

   ◇◇◇

 ひさしぶりにお部屋を掃除した。にんげんが暮らせるようなお部屋になった。うれしい。魚を買ったので魚を焼く。眠たいから、ベッドで眠る。




コメント
ではなくて、
エヴァを「何か他人とまともに人間関係を築くことができるように思わせてくれる媒介」だと思う価値観やそれを踏まえた上でコミュニケーションをとろうとする考えかた自体がまちがっているかもしれない。そんな人間関係は不健全だしかりそめににすぎない、と良識あるひとたちは言うかもしれない。
それはそうかもしれないと俺も思うけれど、
でも俺はそれにたいして「いや、おまえら良識ぶったやつらが『真の人間関係』なんてことをぶつくさ言うから、俺みたいな人間はいつも…」と抗議したり腹を立てたりしないといけないと思うこともあって、
であるならば、本当の問題は俺がいかにまともさを希求するかあるいは妥協するかあるいは自己確立をするかとか、
そういう問題なわけだけれど、
でもそういう問題はたいていの場合くだらないというか、
ばかみたいで、
焼き魚みたいにばかみたいで、
【2009/07/11 06:27】 | 桜井晴也 #oSfzfPCQ | [edit]
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