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山海塾「卵を立てることから―卵熟」@東京芸術劇場

2009.12.05(00:10)

子猫が読む乱暴者日記 (河出文庫)子猫が読む乱暴者日記 (河出文庫)
(2006/02/04)
中原 昌也

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鳥肌の森を、おれは
一挺の銃をにぎってすすんでいく
踏みしめていくかさぶたに
過ぎ去った日の足跡がついている。
その足跡は、いつかの傷ぐちにつづいている。
 めり めり めり めり
 めりッ! めりッ! めりッ! めりッ!
氷海が割れるようなかさぶたの音が
おれの背中にひびいていく。
                      ――長谷川龍生/鳥肌の森


 山海塾「卵を立てることから―卵熟」を見ながらぐっすり寝たことについて。まず睡眠時間が4時間しかなかったのがいけない。普段あたしは8~10時間くらい余裕でぐうすか眠りこけているので、その半分以下の睡眠時間のみで、あんな暗い空間、眠たくなる音楽、ふかふかのあたたかい椅子、をあたえられて眠らないわけがない。そして山海塾のダンスの動きはすべて緩慢だった。緩急、というものがなんだか知らないけれどあるらしく、普通のダンスの場合静止したところから爆発してその差異によってびりびりとした躍動感をあたえるものだけれど、山海塾の場合、その緩急のふれはばがすごく小さく、ていねいにつくられているように見えた。ゆっくりゆっくりした微妙な緩急を楽しむものだと思う。同時に、あたしはいっかいも見たこともないし興味もないから知らないからかんぺきに推測になっちゃうけれど、能や歌舞伎などそちらの芸能に近いダンスなんじゃないかとも思う。やけにじゃぱにーずだった。あたしは西洋かぶれのいんちきやろうなので、西洋っぽいもののほうがわりかし好きだ。どうしようかと思った。あと、今日の席はわるくて、後ろから三番目とか四番目とかだったので、遠くて、何をしているのかよくわからなかった。やっぱり、10メートル近いか遠いかでおもしろさははんぶんくらいになっちゃうのかもしれない。あたしの後ろの後ろは風船みたいにぷうぷう言って寝ていた。風船ごっこをして遊んでいたにちがいない。楽しそうだなあと思った。
 暗黒舞踏の様式をそのまま受けついでいるみたいで、みんな真っ白だった。舞台装置は楽しくて、左手には砂がさらさらえんえん落ちつづけて、右手には水がぼちゃぼちゃ落ちつづけていて、とてもきれいだった。きれいなものを見ていると、うっかり眠くなった。終演後のあいさつのしかたが、しぶすぎてかっこうよかった。そのままハラキリでもするんじゃないかと思って、どきどきしていた。終わりのあいさつがいちばん、よかった。拍手がすごかった。ぶらぼーぶらぼーとみんな喉から血を噴きだしながらさけんでいた。あたしが見ていたのは2~3割程度だったので、きっと、のこりの7~8割にぶらぼーなことが行われていたにちがいない。

   ◇◇◇

 中原昌也「子猫が読む乱暴者日記」を読んだ。中原昌也の長編「あらゆる場所に花束が……」は3回読んで3回とも10ページくらいで挫折していたのだけれど、短篇はとてもおもしろい。まず、文章が圧倒的にへたくそだ。こんなへたくそな文章はめったにない。

 段々と田辺さんに向けてシャボン玉はゆっくりと近づいてくる。


 この一文の冒頭の「段々と」は、少しでも文章に気を使うひとならば絶対に入れないと思う。おそろしい文章だ。破綻してる。ばか。でも、こんなへたくそな文章で書かれたぜんぜん意味のわからない小説がけっこうなかなかじつにおもしろいということは「小説はうまい文章で書かれたほうがおもしろいという考えは気のせいだ!」ということを示していると思う。ひとはどうしてか一生懸命うまい文章を書こうとはするけれど、一生懸命へたな文章を書こうとはしない。中原昌也の文章は(一般的に見て)へただ。小島信夫の文章も(一般的に見て)へただ。何故なら、それが日本語として破綻しているからだ。でも「小説は正しい日本語で書かれなくてはいけない」と小説家はたぶん、あんまり言わない。そして、中原昌也や小島信夫よりもおもしろい小説を書けるひとなんて、あんまり、いない。
 中原昌也の小説はつまらない。構成なんて適当だ。このひと、途中であきたらぜったい適当に終わりにしてるもん。おそろしいのは「中原昌也の書くつまらない小説が大多数の小説よりもおもしろい」というばかみたいな事実だ。それはどういうことだろう。わからない。小説ってなんだ。ぜんぜんちっともわからない。だから、あたしはそれを手にとって、さわさわ、肉を噛むみたいにさわればいい。「ボールは友達!」と翼くんは言った。小説は友達!

(冒頭の長谷川龍生の詩も、今見ると、へただよなあ)




コメント
すいません、中原昌也は読んだことないです。でも、今年の新潮新人賞受賞作「神キチ」が「文章の下手なおもしろい小説」のような気がします。オチのつけ方も無茶苦茶ですし。頭のおかしな人(主人公含む)だけが出て来て彼らなりの「信仰」にたがうことなく行動してるからこそ「下手でおもしろい」んですかねえ・・・。
ところで、最近は詩作はされてないんですか?一文字で終わる詩でもいいから新作を読みたいです。
【2009/12/11 16:45】 | 上田洋一 #- | [edit]
おお、そういえば最近新人賞の受賞作読んでないです。図書館、行きたいです。

> ところで、最近は詩作はされてないんですか?一文字で終わる詩でもいいから新作を読みたいです。

おお、ありがとうございます!
http://po-m.com/forum/myframe.php?hid=6588
ブログにはもう書かないつもりですが、ここには挙がっています。
が、ここも最近は書いていません。まったく書いていないことはないんですけれど、書いているかと問われるとぜんぜん書いていません。
【2009/12/14 15:53】 | 桜井晴也 #oSfzfPCQ | [edit]
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