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歌をうたってくれ

2010.01.26(12:11)

旅路の果て (白水Uブックス (62))旅路の果て (白水Uブックス (62))
(1984/01)
ジョン・バース

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 月曜日は学校をさぼって、とりあえず恵比寿ガーデンシネマまで行きフレデリック・ワイズマン「パリ・オペラ座のすべて」を見てきた。3時間近くあるドキュメンタリーのうえ、展開というものがまったくなく、ワイズマンだからもちろん「これはこういうひとです」という説明すらいっさいなく、そもそもあたしがまともに映画を連続で見ることができる時間は1時間程度が限界でそれ以降はたいてい飽きてしまうので、この映画も思いっきり飽きていた。ワイズマンだからつまらないはずがないけれど、前に見た「聴覚障害」みたいな未知の世界と人間的なドキュメントがわりとあるドキュメンタリー映画のほうが見やすいし、おもしろいかもしれない。オペラ座だからバレエだけかなと思っていたけれど、そうじゃなくて、きちんとコンテンポラリーもあった。お葬式みたいな作品で、女のひとがいっせいに金切り声をあげている作品がよかった。ピナの作品も作品内でとりあげられていたけれど、どれなのかわからなかった。
 写真美術館に行こうと思ったらわたしは賢く月曜日であることを思いだしながら泣いて、渋谷まで移動してジョン・バース「旅路の果て」を読んでいた。すごくおもしろかった。笑えた。基本はサリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」だと思うけれど、最後のほうはいたいたしくて読むのがつらいくらいだった。
 書きだしがいい。

 ある意味で、ぼく、ジェイコブ・ホーナーだ。

 ユーロスペースまで行って、前回見逃してうっかり死にたくなったヴィターリー・カネフスキー「ぼくら、二十世紀の子供たち」を見た。土曜日に見た「ユキとニナ」がおもしろすぎたので「『ユキとニナ』は2010年度見た映画のなかで最高傑作だ!」とかなんとか早まって言っていたけれど、「ぼくら、二十世紀の子供たち」のほうがおもしろかったのかもしれない。ソ連崩壊後のストリート・チルドレンを取材したドキュメンタリー映画だ。わたしにはほかの映画と映像がぜんぜんちがうように見えた。鏡にうつった男の子の姿を代表として、この映画ではものとひとがとても「くっきり」とうつっている。いったい何が起こっているのか、よくわからなかった。そして、この映画のなかでは子供たちはあまりにもよく動いている。すぱすぱ煙草を吸ったり、ナイフで机をがりがり削ったり、はにかんだり、インタビューに答えている男の子ではなく、どうしてもほかの子供の動きに目がいってしまう。そしてそれはインタビューに答えている男の子も同じだ。画面にうつっているものをそのまま画面にうつすということ。画面のなかに主役と端役をつくらないということ。それがひとつの現実のありかただと思う。木々から粒子が降りそそいでいた。光があった。きれい、だった。70年代から80年代におけるタルコフスキーの映像を、どんなCGが使われている映画よりも、わたしはもっともきれいなものだと思っている。でも、93年のこの映画の映像も、すごく、すごくきれいだった。きれいじゃなければ伝わらないものはたしかにあるんだと思う。
「ぼくら、二十世紀の子供たち」は「動くな、死ね、蘇れ!」、「ひとりで生きる」の主演ふたりが最後にでてくる。収容所で再会したふたりの会話のテンポがすごく気持ちよかった。パーヴェル・ナザーロフもディナーラ・ドルカーロワも、すごくやさしいひとに見えた。「歌をうたってくれ」。監督はストリート・チルドレンたちにことあるごとにこう言った。
「歌をうたってくれ。なんでもいいんだ」
 たぶん、もしあるものごとが伝わらないとしたら、それがきれいではなく、歌でもないからだ。




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