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ひとが死ぬ映像としての祈り

2010.07.12(02:13)

エドナ・ウェブスターへの贈り物 故郷に残されていた未発表作品エドナ・ウェブスターへの贈り物 故郷に残されていた未発表作品
(2010/02/26)
リチャード ブローティガン

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 木曜日はユナイテッド・シネマ浦和で入江悠「サイタマノラッパー2」を見た。おもしろかった。しゅっしゅっしゅーはーとのろいやるすとれーとー。
 土曜日は写真美術館に行ってベトナム戦争のドキュメンタリー「ウィンター・ソルジャー」と「ハーツ・アンド・マインズ」を見た。おもしろかった。「ハーツ・アンド・マインズ」ではアメリカ兵がベトナム少年のこめかみを銃でぱんと撃って、少年が倒れてこめかみから血が噴水みたいにぴうぴうでていた。「ぐろー」と思った。「まぬけー」と思った。わたしはたぶんひとが死ぬ瞬間を実際にも、映像でも見たことがなかったから、あれがたぶんひとが死ぬ瞬間を見た「はじめて」だったから、それなりに感慨深いものがあったけれど、それはやっぱり「それなり」でしかなくて、わたしには、ひとが死ぬ瞬間の映像というものはよい映画の衝撃的な映像に適うものなんだろうか、と思えた。ひとが死ぬ瞬間の映像とは祈りなんだと思う。だから、祈るだけじゃなにも起こらないこともあって、ほんとうは、わたしたちは「祈ったってなんにもならないよ」と知っているから、「そんなもんか」と思ってあらゆることを通りすぎていくんだろうな。ひとの死の映像なんてすぐに忘れちゃう。わたしが昨日、自分の好きなひと以外のなにに祈ったかなんて、わすれてしまっている。あるひとが「どうして映画を見るのかと言えば、それはいつかくるたいせつなひとの死に耐えられるようにするためだと思う」というようなことを言っていて、わたしはそれを読んだとき頭をとんかちでがつんとぶたれたけれど、わたしは、映画を見るたび、たいせつなひとの死に耐えられなくなっていくように思う。
 NHKがはいっていて、カメラがぐるんぐるんまわっていたので、わたしも、ものすごくちっちゃくうつっているような気がする。
 シアターN渋谷でダリオ・アルジェント「4匹の蠅」を見た。おもしろかった。独特すぎて逆に感想がない。ラストシーンがほんとうにすばらしかった。

   ◇◇◇

 恋をする、あるいは失恋するとき、詩なるものはぼくらのたどる航路をいくらか耐えやすいようにしてくれる気高い機能をはたすのだね、その目的以外の理由で詩を書く連中はとんまだ。
――リチャード・ブローティガン

 ずっとまえ、わたしは本屋さんでブローティガン「芝生の復讐」のページを開いた。そこには詩が書いてあった。「すごい!」とわたしは思った。でも、それは詩じゃなかった。ただの目次だった。
 ブローティガン「エドナ・ウェブスターへの贈り物」のページを開くと、やっぱりそこには詩が書いてあった。でもそれは詩じゃなくて、やっぱり目次だった。ブローティガンの本の最高なところと最低なところは同じで、目次がいちばんおもしろいことだと思う。というよりも、言いかたは難しいけれど、彼の本はいつまでも目次だけが続いている印象を受ける。目次も本文も、どうでもよくなってくる。小説か詩かもどうでもよくなってくる。それで、江國香織の解説と藤本和子のあとがきを読んでいると、ブローティガンほどひとに愛される作家もいないんじゃないかと思えて、たまらない気持ちになる。江國香織はブローティガンを読んで、生まれてはじめて出版社に手紙を送り、どんなにぼろぼろでもいいから在庫があるなら買わせてほしいと頼んだ。そして、藤本和子の文章はわたしには近代に見える。あるものがあり、そのあるものについて工夫と技巧をこらせば書くことができると信じているように見える時代の文章に見える。彼女の文章は気高い。わたしとはちがって、上も下もないように見える。彼女の文章には下を持たない上だけがあり、それは、わたしが持っていない誇りをまとった、絶対的な自信を身につけたすえの文章だろう。わたしの印象だけれど、そういった文章を書けたひとは藤本和子のほかにエミリー・ディキンスンしかいないと思う。




コメント
ベトナム戦争当時、南ベトナム政府に抗議して僧侶が焼身自殺したそうです。そして、そのニュースを知らされた南ベトナム政府高官夫人は「あんなの、ただのバーベキューじゃないの」と言い切ったそうです。すげえ。「パンがなければお菓子を食べなさい」クラスぐらいすげえ。ちなみに、そうのたもうた当の夫人はかなり悲惨な最期を迎えたらしいです。
【2010/07/15 16:33】 | 上田洋一 #- | [edit]
ただのバーベキュー!
すごいです。
僕もかりに会社に全力で抗議したいと思っても
自分の身体に火をつけたりはぜったいにしたくないなと思いました。
【2010/08/06 21:08】 | 桜井晴也 #oSfzfPCQ | [edit]
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