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たとえば人生には意味なんてなくて

2011.08.28(03:21)

町でいちばんの美女 (新潮文庫)町でいちばんの美女 (新潮文庫)
(1998/05)
チャールズ ブコウスキー

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 8月22日(月)

 会社にいった。とくにおもしろいことはなかったし、なにをしたのかも覚えていない。毎日たしかにちがうことをしているはずのにそのたった数日のうちにその差異は泡みたいに消えてしまう。たとえば人生には意味なんてなくて、もしも人生という言葉をつかってわたしがわたしが生きていることについて考えるとしたらそれはぜったい「意味」なんかじゃない。友達に会ったときにどんな気持ちになることができるだろうということのほうが、もっとずっとたいせつだと思う。もうそれだけがそのひとに美しさをあたえるだろうと思う。
 川上未映子「ヘヴン」を読んで眠った。


 8月23日(火)

 会社にいった。なんにも覚えていない。なにをしたのかもわからない。川上未映子「ヘヴン」を読みおえたので天沢退二郎「光車よ、まわれ!」を読みはじめた。


 8月24日(水)

 会社にいった。9月23日から10月2日まで休みで、23日から25日まで旅行にいこうとSSくんたちと話していた。でもわたしたちはなんにも決めていなかったからそろそろなにかを決めるべきじゃないだろうかと思ってそう言った。西のほうにいくということは決まっていた。西とはたぶん九州のことだった。どこにいきたいかと訊くとSSくんは「崖!」と答えて、AHくんは「ポケモンセンター!」と答えていた。なんで彼らはこんなにおもしろいんだろうと思ってうれしくなった。わたしは鳥取砂丘にいきたかった。でもざんねんなのは鳥取砂丘が九州じゃないということだった。九州にいくとして九州のなかでどこかを選ぶのだとしたら火山にいきたい。ぐつぐつ煮えた火が見たい。


 8月25日(木)

 会社にいった。帰った。1961年から2010年までの、それぞれの年の映画、本、音楽のいちばんを書いたリストをつくろうとここ1ヶ月くらいうねうねとやっていて、それはもうほとんどできていたけれど捨てた。ある年については1本しか見ていないということもあって、見ていたとしてもあまり好きじゃないものしかなくて、といううこともあって、なんだかいやになった。こういうものに完璧なものはなくて、「てきとうにあきらめてつくっちゃう!」という気持ちがなくてはむりなんだろうなと思った。
 かわりに年代もなにも関係なく50作品ずつあげてつくった。わたしはほんとうにおもしろい、すばらしいと思ってものしかあげなかった。きっとわたしは意識的に1000冊は読んできたと思う、意識的に500本の映画を見て、意識的に200枚のアルバムを聴いただろうと思う。そのなかからたった50のものを選ぶことにどんな価値があるのかわたしにはよくわからなかったし、その選ばれた50のものがわたしにどれだけの感覚をもたらしたのかもわからない。


 何事であれ、そこにはつねに、それ以上のことがある。どんな出来事でも、他にも出来事がある。
                             ――スーザン・ソンタグ


 たいせつなことは、どんなものにもつねに51ばんめのなにかがあるということだ。にんげんにしても変わりないだろうと思う。なにかをひとつを選ぶやりかたでだれかひとりを選びたがるやりかたはきっと醜いんだろう。醜さを隠すために愛は生まれたんだろう。愛じたいは醜い。たとえそれがどんな姿をしていようと、ほんとうに美しいものは愛の次の場所にあるだろう。


 8月26日(金)

 会社にいった。とくになにも起きなかった。なにをしているのかもわからないほどの地味な作業をくりかえしていた。煙草を忘れたので休憩にいくことができなくて、それでもしたなく、喫煙室じゃない場所にたってコーヒーを飲みながら雨を見つめていた。とてもまずいコーヒーだった。きっと雨よりもまずいだろうと思った。いたたまれなかった。
 お昼を食べながらSSくんが「おさわりパブ」と言った。HAくんは聞こえなかったらしく「え? おさわりパーク? なに? もういっかい!」とおおきな声で言いだして、SSくんはきゅうに恥ずかしくなって「Aくん! ぜったいわかってやっているでしょ!」と言ったけれどHAくんは「ほんとうに聞こえなかった! おさわりパーク! 犬をさわれるの!」といつまでも言っていた。わたしはその横で呼吸がむずかしかった。
 夜の7時30分ごろ、わたしがエクセルをいじくりながら確認ポイントにペタペタと色をつけているとHAくんがやってきて「芸術的じゃない!」と言った。「逆転の発想だよ! 見てほしいところに色をつけるんじゃなくて、見なくていいところをぜんぶ塗りつぶしちゃえばいいんだよ!」。「うるさいよAくん!」とわたしは言って帰った。
 龍子ちゃんがかわいい以外なにがおもしろいのかさっぱりわからなかったけれどとにかく天沢退二郎「光車よ、まわれ!」を読みおえた。


 8月27日(土)

 ずっと眠っていた。いったいにんげんはどれくらい眠ることができるんだろうと思ってずっと眠っていた。起きたら夜の8時で、わたしは昨日11時に眠ったから21時間も眠った計算だった。すごい!とわたしは思った。これだけ眠りつづけてあんまり死にたくならなかったわたしすごい!
 松屋でごはんを食べて、それからロイヤルホストでドリンクバーだけ頼んでチャールズ・ブコウスキー「町でいちばんの美女」を読んだり、tabaccojuiceと小谷美紗子を聴いたり、この日記を書いたり、小説を書こうとしたりしている。小説について、わたしはまえに書きおえた「アリステア、僕の声を聴いてくれ」がわたしのさいこうけっさくだと思っていたけれど、いま書いている小説のほうがずっとずっとさいこうにおもしろいと思った。どうしてこんなに美しいんだろうとわたしは思うけれど、わたしの小説はわたししか好きじゃないしわたしにとっては美しいだろうからほかのひとがどう思うかはわからない。
 ブコウスキーはあいかわらずさいこうの作家だと思う。ブローティガンをぐるっとひっくりかえしたような美しさがあって、たまらない。
 夜の2時ごろにロイヤルホストをあとにして、さいたま新都心のほうまでぶらっと散歩をしてから帰った。ちいさな公園でカップルがいちゃいちゃしていてベンチにはホームレスたちが眠っていて死にたくなった。まるで失敗した横浜みたいだなあと思った。いっぱい歩いて運動したからシュークリームを食べた。




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